【後編】元ジャパネットたかた代表取締役髙田明氏の講演から学ぶ、観衆を掴む方法

今回は、先週のブログの続きです。

テレビショッピングでお馴染み、
元ジャパネットたかた代表取締役の髙田明氏。
(現 株式会社A and Live代表取締役)

profile
http://www.aandlive.com/より

私が教員を務める大学で髙田社長の講演が行われ、
私は司会としてサポートいたしました。

髙田社長はどのようにして、聞き手を巻き込んでいったのでしょか?
3つのポイントをお伝えしています。

1つ目は、「仕掛けとなる、入りの一言」でした。
本日は、残り2つのポイントです。

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<2>聞き手の分析

メインの聞き手はもちろん、
人数が圧倒的に多い学生です。

しかし、
会場には学生だけでなく、
主催者や企業の人事担当者がいらっしゃいました。

髙田社長は講演でその三方へのメッセージを、
きちんと入れ込んでいました。
聞き手の分析が行われていた証拠です。

◎学生へのメッセージ
講演のメインテーマである
仕事をする意義と、地元就職の魅力を伝えていました。

◎主催者へのメッセージ
今回の主催は県でした。
開催の狙いは地元就職率アップです。
そこで髙田社長は、主催者の方々を次のようにして取り込みました。

まず、学生へ質問します。
「『地元に魅力的な企業がない』と思う人はいますか?」
次に、県の担当者の方を向き、こういいます。
「ほら、主催者さん。学生の本音はこうですよ、見てください」

人数は少ないとはいえ
こうすることで、主催者を立てるのです。

◎企業へのメッセージ
もう一方は、企業の人事担当者です。
企業という枠組みでは、髙田社長と同じ立場。
そこでハッパをかけていました。

学生に「この会社に入りたい!」と思わせるために、
担当者はアピールをして欲しい!と。

この気遣いによって、
主催者も、企業の人事担当者も
髙田社長の講演を他人事ではなく、
当事者として聞き入ることになるのです。

そして、
講演の趣旨をよく理解し
全うしようという真摯な姿勢や気遣いは学生にも伝わり、
学生をさらに前のめりにさせます。

 

<3>身体の使い方

右手でマイクを持ち、左手は演台を掴む。
これが髙田社長の講演時の基本スタイルでした。

途中、右手と左手を入れ替えたのは
50分中で5回。
この回数はとても少ないほうで、
落ち着きがあり、安定していることを示します。

動きに余計なノイズが入らず、
聞き手も話に集中できます。

そして、力動性が感じられる
高い位置のジェスチャーをされていました。

このブログでも何度かお伝えしていますが、
ジェスチャーで重要なのは、その位置です。

胸のあたりのジェスチャーは信頼性を、
肩から上のジェスチャーは
活動性や、リーダーシップを表します。

詳しくは拙著、
「一分で一生の信頼を勝ち取る法」を
ご参照ください。
http://www.amazon.co.jp/dp/4478027803

 

前回のブログで
1つめのポイントは
「仕掛けとなる、入りの一言」だとお伝えしました。

250人の学生の心をグッと掴んだ髙田社長の第一声は、
普通のおとなしい、低い声での挨拶、
「こんにちは」。

テレビショッピングでよく聴く高い声。
「やっぱりあの声だ!」を
見事に、いい意味で裏切る掴みでした。

しかし、
50分の講演の中で30分くらい経ち、後半に入った時には
お馴染みの、高い声になっていました。

そうなったタイミングは
髙田社長が、一番伝えたいことを言った時。

「自分の就職について真剣に考えてみて欲しい」
「今から自分を変えるんです」

この台詞が飛び出した時は、
お茶の間を賑わしているいつものテンションになっていました。

しかも、
「自分の就職について真剣に考えてみて欲しい」は3回
「今から自分を変えるんです」は2回繰り返しました。

低い声で入り、
言いたいことろで声を高く、そして繰り返す。
これはテレビショッピングでも髙田社長がなさっているスキルですね。

実は、
テレビショッピングでも髙田社長は
いつもいつも声が高いわけではないのです。

スピーチの研究という視点で、
髙田社長のテレビショッピングを、じっくりとご覧になってみてください。
その商品の一番の売りのところで、声が高くなっているのがわかります。

スピーチの参考に…と思いつつ、
髙田社長のトークに引き込まれて
紹介している商品を購入してしまうかもしれませんね(笑)

 

最後に、
学生に向けた講演でしたが、
私たちビジネスパーソンにもためになる言葉をいただきましたので
内容をシェアいたします。

髙田社長の考える、
仕事をする上で大切な3つのことです。

1.自分を信じること
2.行動すること
3.やりつづけること

名手が名手たる理由を紐解く分析は
とても楽しいものです。
そして、勉強になります。

 

 

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