思わず「さすが!」と唸った名刺交換時の一言

ビジネス現場で欠かせないのが名刺交換。
第一印象が大事とわかっているだけに、
初対面の相手にどんなふうに接すれば
信頼関係を築けるか、
気を遣いますよね。

先日、ある業界最大手の上場企業の
研修を担当させていただきました。
その研修担当の方との名刺交換で、
思わず「さすが!」と唸る
コミュニケーションに出会ったのでご紹介します。

名刺交換については、
アイコンタクトの取り方について
拙著
『「きちんとしている」と言われる
「話し方」の教科書』
の中で紹介しています。

簡単に説明すると、
名刺を渡すときに相手の目を見つづけることが
ポイントです。
名刺に目を落としがちですが、
しっかりと視線を合わせることで、
自分のやる気や熱意を相手に示すのです。


出典:「きちんとしている」と言われる「話し方」の教科書 P117

今回は
アイコンタクト(非言語表現)ではなく、
名刺交換のときの
印象的な一言(言語表現)についてです。

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今回、当日までの打ち合わせなども
別の担当の方と進めていたため、
研修担当のOさんとは全く初めての接触でした。

Oさんは私に名刺を差し出しながら
こうおっしゃったのです。

「やっと、お願いできました!」

実感のこもったその言い方が気になって
詳しく聞いてみると、
Oさんから何度か研修のご依頼を
いただいていたものの日程が合わず、
2年越しで調整してくださったらしいのです。

ゆえに先ほどの
「やっと、お願いできました!」
という言葉になったわけです。

そう言われた私はありがたく思うとともに、
「ご期待に応えなければ!」と、
いつも以上に身が引き締まりました。

このOさんの一言は、
NHK式」第7のルール
「独り言から入る」を使ったテクニックです。

拙著
『NHK式+心理学
一分で一生の信頼を勝ち取る法』
で紹介した「NHK式7つのルール」の中の一つです。

どういうことかというと、
例えば
テレビの情報番組で
パン工場から中継する場合。

場所の説明から入るのではなく、
「甘いおいしそうな香りがしています」
といったように、
リポーター自らが現場でキャッチした情報から
話し始めるのです。

これが「独り言から入る」テクニックです。
自分がその場で感じた気持ちを
「独り言」としてつぶやくことで、
ありきたりでない
相手の興味を引く一言となるのです。

皆さんは名刺交換のとき
どんな一言から入りますか。

よくあるのは
住所や名前など、
名刺に書かれていることから共通項を探して
コミュニケーションをとる方法ですね。

時には、このような
相手の興味を引く「独り言」を
使ってみてはいかがでしょうか。

「独り言」+「相手の目を見つづける」

で、言語表現と非言語表現両方を取り入れた
最強の名刺交換になることでしょう。
お試しください。