今回スピーチスキルを向上させるヒントとして
ご紹介したいのは、先月開かれた
トヨタ自動車の春の労使協議会です。
労使交渉とスピーチ、
一見関係がなさそうですが、そこで語られた
同社の豊田章男代表取締役社長の言葉には、
スピーチをするときに必要な視点と
共通するものがありました。
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目的は行動変容
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https://toyotatimes.jp/insidetoyota/053.html
こちらのトヨタ自動車のメディア
「トヨタイムズ」によると、
同社では今春の労使協議会の席において
机の配置を変えたとのことです。
これまで会社側と労働組合が向かい合うという
並びだったのを、
労働組合、管理職、経営陣の三者が
三角形に向き合うかたちにしたのです。
なぜそうしたのかについて
豊田氏はこう語ります。
= = = =(ここから)
組合員の皆さんは、
こちらに座っている役員、幹部職、基幹職の
「映し鏡」だと思っております。
皆さんの言動は、
職場でのマネジメントの言動を
映し出したものだと思うのです。
それであるが故に、これまでの交渉でも、
私は組合員の皆さんに伝える形をとりながら、
多くのメッセージを、私の後ろに座っている
マネジメントに向けて伝えてまいりました。
しかし、背中に向かって話をしていても、
一向に「伝わっている」という
手応えが感じられない、
というのが私の正直な想いです。
年頭の挨拶でも申し上げたように、
「伝わる」というのは「言動が変わる」
ということだと思っております。
= = = =(ここまで)
管理職にも向き合って自分の言葉を伝えるために
机の配置を変えたのだとおっしゃっています。
「伝わる」というのは「言動が変わる」
という豊田氏の言葉。
まさに「聞き手の行動変容」ですね。
ビジネスにおけるスピーチやプレゼンは、
「反対していた人が賛成する」
「興味のなかった人が商品を購入する」など
聞き手の行動を変えることが
最も大事な目標です。
あなたは
「うまかった」「感動した」などの言葉を
もらうだけで満足していませんか。
聞き手にどのような行動変容を促したいのか、
目的を明確にしておくのが
ワンランク上のスピーチスキルなのです。
目的が分かれば
何をどのように伝えるべきか
そしてそのためには
どのような準備が必要かが
見えてくるはずです。
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あとがき
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株式会社パソナさんの
「働き方を研究する」コンテンツ
「はたラボ」に取材していただきました。
今回の取材は、当初
「プレゼンの失敗をリカバリーする方法
について教えてほしい」というご依頼でした。
それに対し、
「プレゼンの失敗とは何か?」という、
「失敗の定義」からお話ししたため、
全編・後編に分けての
長い記事になってしまいました(;’∀’)
しかし、
そもそも論を忘れてスキルに走るのは要注意!
本日お伝えした
「目的は行動変容」ということについても
お話ししています。
ぜひご参考になさってください。
プレゼンは緊張しても噛んでも失敗ではない
~スピーチコンサルタント・矢野香さんが
伝授する「プレゼン上手になるための思考法」(前編)~
https://bit.ly/3bcNfel
2020年3月24日