スピーチを成功に導く「YOUの視点」

前回のブログで
トヨタ自動車の春の労使協議会での
豊田章男代表取締役社長の発言を引用し、
スピーチやプレゼンの目的は
「聞き手の行動変容」だということを
お伝えしました。


今回も引き続き、
スピーチスキルを向上させるヒントとして
豊田氏の言葉をご紹介します。

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「YOU」を主語にする
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先週と同じ
トヨタの春の労使協議会の動画より、
24分ごろの豊田氏を抜粋します。
https://bit.ly/3bsFXUc

= = = =(ここから)

私が感じていることがあります。
それは、事技職の皆さんが、
私と話をする時の主語は、
ほとんどが「I」だということです。
(中略)
トヨタの人たちは、「I」を主語にして、
自分のことだけ話していても
仕事は進んでいくというのが
実態ではないでしょうか。
(中略)
トヨタの事技職の人たちは、
どれだけ先方の会社に出向き、
相手の会社のことを勉強し、
相手のことを知ろうとしているでしょうか。

どれだけ「YOU」を主語にした
会話をしているでしょうか。

「YOU」を主語にして話すと
初めて気がつくことがあります。
(中略)
「YOU」を主語にするということは、
自分以外の人に関心を持つということです。
そして、それは、世の中の動きに関心を持つ
ということでもあります。

= = = =(ここまで)

「YOU」を主語にする。

豊田氏は、職場でのコミュニケーションのあり方
について述べていらっしゃいますが、
大勢を前にするスピーチやプレゼンでも
同様のことが言えます。

拙著『NHK式+心理学
一分で一生の信頼を勝ち取る法』
で、「I→YOU→WE法」というスキルを
紹介しています。

これは、話をI(私)から始め、
YOU(あなた)、そしてWE(私たち)へと
徐々に広げていくことで、
聞き手を巻き込んでいく方法です。

一方的に自説を展開していては、
話し手は満足かもしれませんが、
聞き手は置いてきぼりになってしまいます。

「言ってることはわかるけど」と、
モヤモヤした気持ちのまま
会場を後にすることになるかもしれません。

スピーチやプレゼンでも大事なのは
相手に関心を持つこと。
「I→YOU→WE法」を用いて
「あなたはどうですか?」と問いかければ、
聞き手との距離を近づけることができます。

その結果、
話し手の言葉が聞き手にダイレクトに伝わり、
前のメールで述べた
「聞き手の行動変容」につながるのです。

「I→YOU→WE法」は特に
聞き手がこれから話す内容に
興味がなさそうなときに効果的な方法です。
ぜひお試しください。


★オンライン化されるということは
あなたの話し方が保存され、
その場でのごまかしが
利かなくなることでもあります。
信頼される「NHK式」話し方の基本を
押さえておきましょう。
https://bit.ly/3dDTbPD

 

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あとがき
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新型コロナウイルス感染症の拡大防止のために
各国の首相・大統領・国王などのリーダーが
国民に向けてメッセージを発信しています。

スピーチの観点からも注目していますが
ドイツのメルケル首相のスピーチが
共感する・聞き手への行動を促す
という点で素晴らしいと感じました。

動画はこちら↓
https://bit.ly/3duPxYe

全文はこちら↓
https://bit.ly/33SuY3F
日本語訳は公式ページがないため、
ご興味ある方は検索してみてください。


2020年3月31日