表現・印象にまつわるアレコレ

今年4月、新年度スタート時のスピーチを成功させるために今なすべきこと

新しい年が始まって、すでに1カ月。
今年はこんな年にしようと、
気持ちを新たに決意したことは
活かされていますか。

せっかく決めたことが
三日坊主になってしまっていた、
忘れてしまっていた、
という方もいらっしゃるかもしれません。

それでも大丈夫。
今ならまだ挽回できるチャンスがあります。

それは新年度。

今年4月の新年度スタート時に
あらためて決意をスピーチすれば、
周囲の方々からも協力して
いただけるかもしれません。

そのスピーチを成功させるためには、
今なすべきことがあります。
少し気が早いようですが、
仕込みとして大事な時期なのです。

どのような仕込みをするのか。
それは、トップリーダーの方々の
年頭あいさつを沢山見たり聞いたりすること。

今回は、日本の経営トップの方々の
年頭あいさつを見本にして、
リーダーにふさわしい
新年度のあいさつをするための
ポイントをお伝えします。

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今年のキーワード×自分だけのエピソード
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年頭あいさつは、
その企業における今年の方向性や
リーダーとしての覚悟を、
社員や世の中に向けて発信する
大事なスピーチです。

スピーチコンサルティングを
受けてくださっているクライアントの方々も
11月末ごろから準備を始めます。

そのなかでは、
「今年のキーワード」と
「自分だけのエピソード」を入れることを
お伝えしています。

例えば、NECグループの
代表執行役社長 兼 CEOの森田隆之氏は、
今年1月5日に発表したメッセージの中で、
「2024年も、最先端の技術力による
明るいサプライズをお届けしてまいります」
と、述べています。


出典:https://jpn.nec.com/corporateblog/index.html

https://jpn.nec.com/corporateblog/202401/01.html

この「明るいサプライズ」という
キーワードは、
新年らしく、かつ印象に残る言葉です。

キーワードは「短く」が大前提。
目安は13文字以内です。

自分のあいさつが新聞記事などで
取り上げられるとしたら
どのような見出しになるかを考えてみると
イメージしやすいでしょう。

内容に一貫性を持たせることも大事です。
いきなりあいさつの中で
新しいフレーズを提示しても
社員は置いてけぼりになってしまいます。

中長期計画にあるワードを引用したり、
前もってキーワードを
匂わせておいたりするといいでしょう。

キーワードは
何も1人で決める必要はありません。
役員やチームリーダーなど、周りに
相談しながら決めるのも良い方法です。

あらかじめ同意を得ているので、
社員にも浸透しやすくなります。

毎年英単語一つや四字熟語にするなど、
パターンを決めてしまうのもおすすめです。

キーワードがあると、
来年はその振り返りからスピーチを
組み立てることができるので、
次年以降が楽になるのもメリットです。

もう一人例を挙げたいのが、
たびたびこのメールでも
取り上げてきた
トヨタ自動車株式会社の豊田章男氏。

会長になって初の年頭あいさつで、
さすがのスピーチでした。

 
出典:https://toyotatimes.jp/toyota_news/1052.html

キーワードは
「私にはまだまだやるべきことがある」

オウンドメディアの「トヨタイムズ」でも
冒頭に紹介されています。

https://toyotatimes.jp/toyota_news/1052.html

この言葉を強めるエピソードとして、
祖父であり、創業者である豊田喜一郎氏が
夢に出てきたことも語っています。

まさに、
彼にしか話せないエピソードです。

豊田氏のように、
エピソードはキーワードにリンクしたものに
することが重要です。

自分の話をするのがどうも…という人は、
お客さまや社員など、
他の人のエピソードでもかまいせん。

これはストーリーテリングと言われる手法で、
バラク・オバマ元米大統領も
スピーチでよく用いていました。

「今年のキーワード」と
「自分にしか話せないエピソード」
この2つを掛け合わせることで、
リーダーにふさわしい、
最強のあいさつとなります。

あっという間に1月も終わり。
このテクニックを使って、
新年度に対する意気込みを伝え、
あなたや組織の飛躍の年にしましょう。

 

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2024年1月30日


アメリカ大手出版社が選んだ「2023年の言葉」とは

2023年も残りわずかとなり、
「ユーキャン新語・流行語大賞」や
「日経MJヒット商品番付」など、
今年1年を振り返るようなトピックスも
報道されています。

そんな中、読者のAさんから
メールをいただきました。

ご本人から許可をいただき
ご紹介します。

「アメリカを代表する英語辞典
『Merriam-Webster』が発表した
2023年のWord of the Year は、
authentic でした!

この言葉を聞くと、
どうしても矢野さんの顔が浮かびます(笑)」

ありがとうございます!

Authentic(オーセンティック)とは
「本物の」「正真正銘の」といった意味。

弊社の社名「オーセンティ」は、
このauthenticからとった造語です。
「本物だから信頼される」という
思いを込めました。

では、なぜ今「authentic」が
注目されているのでしょうか?

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AIが台頭する時代に 求められる「本物」
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米辞書出版大手のメリアム・ウェブスターは
設立が1800年代に遡る伝統ある出版社。
Word of the Yearは、2003年より始まり、
その年によく検索された言葉が選ばれます。

Aさんが紹介してくださった
メリアム・ウェブスターのページはこちら

https://bit.ly/3RATj8v

記事によると、今年は
AIやセレブリティ文化、アイデンティティ、
ソーシャルメディアに関する話題での
検索件数が大幅に増加したとのこと。

世界的な歌手のサム・スミス氏や
テイラー・スウィフト氏などが
本物の声(authentic voice)や
本物の自己(authentic self)について
関心を寄せていたほか、

出典:https://www.universal-music.co.jp/sam-smith/biography/


出典:https://www.universal-music.co.jp/taylor-swift/news/

X(旧Twitter)のオーナーである
イーロン・マスク氏が、
今年2月にドバイで開催された国際会議で
CEOや議員、閣僚などのリーダーに対し、
ソーシャルメディア上で
「speak authentically」することを
薦めたというニュースもありました。


出典:https://www.huffingtonpost.jp/autoblogjapan/elon-musk-tesla_b_7197608.html

Aさんによると、
「authenticはもともとギリシャ語起源で、
一般の英語ネイティブには
少々よそゆきの言葉。

例えば
日本人がカタカナ語を見聞きした時、
いまいちピンと来ず改めて辞書を調べる、
みたいな感覚」とのこと。

同記事でも、
authenticには、
「本物の」「偽物でない」といった以外に
「その人の人間性や精神、性格に忠実な」
など、いくつかの意味があり、
定義が難しいと述べています。

「AI の登場で、
『人間らしさとは何か、
自分らしさとは何か、
本物とは何か』という答えを追い求める人が
増えたのでは」と、Aさん。

「人間らしさとは何か、
自分らしさとは何か、
本物とは何か」

2024年に向けて、
私も改めて考えてみるきっかけとなりました。
Aさん、貴重な情報ありがとうございました。

あなたも改めて
今の時代だからこその自分らしさについて
年末年始にでも考えてみてください。


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2023年12月26日