優れたリーダーの話し方とは?~自民党総裁選の街頭演説分析

安倍晋三氏と石破茂氏の両名が立候補した
自民党総裁選。
9月20日に投開票が行われ、
安倍氏が3選を果たしました。

投開票の前日となる19日には、
安倍氏は秋葉原で、
石破氏は渋谷で、
最後の街頭演説を行いました。

安倍氏と石破氏、
2人の話し方はタイプが大きく異なります。


出典元:https://www.jimin.jp/election/results/sousai18/


出典元:https://www.jimin.jp/election/results/sousai18/

今回は、
話し方の違いが顕著に出ていた
「最後の訴え」をもとに
両者のスピーチを分析しながら、
優れたリーダーとして選ばれるための
話し方の条件について考えます。

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優れたリーダーの話し方に
最低限求められる条件とは?
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ある心理学の実験によると、
相手に好印象を与える要因は

「親しみやすさ」
「活動性」
「社会的望ましさ」

の3つに分けられることが報告されています。

「親しみやすさ」→話しかけやすい、優しい
「活動性」→堂々とした、意欲的な
「社会的望ましさ」→信頼できる、分別のある
といった特徴があります。

それぞれの詳細は、
拙著『その話し方では軽すぎです!』


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をご覧ください。

さて、「最後の訴え」における
安倍氏と石破氏の話し方は
それぞれどのタイプだったと思いますか?

正解は、
安倍氏が「活動性」
石破氏が「社会的望ましさ」です。

2人の最後の街頭演説を比較すると、
腕をあげる高さ、声の高さ、話す速さに
その差がわかりやすく出ています。

https://bit.ly/2xEUfPc

優れたリーダーとして選ばれるための
話し方として大事なことは、
この印象要因と訴えの内容、
つまり言語情報が合致しているかどうかです。

安倍氏の訴えた内容は、
実績の強調、前に進めていくという点から
「活動性」。

一方の石破氏の訴えは、
信頼性を強調している「社会的望ましさ」。

安倍氏も石破氏も
言語情報と印象は一致しています。
つまり
2人ともリーダーズスピーチは完璧だった、
ということ。

今回はスピーチという点からいうと
引き分け、
だと私は思いました。

間違えないでほしいのは、
「親しみやすさ」
「活動性」
「社会的望ましさ」
それぞれのタイプのリーダーがいます。
「活動性」だけがリーダーではありません。

しかし、引き分けの場合
リーダーとして選ばれやすいのは
わかりやすい活動性タイプのリーダーです。

新総裁の任期は2021年9月末までの3年間。
今後の安倍氏のリーダーシップに期待します。

 

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2018年9月21日