個別トレーニング&顧問コンサルティング実践者へのインタビュー
認知症専門医・医療法人ブレイングループ理事長 長谷川嘉哉さま
認知症テーマの講演の場ご活躍されていた長谷川氏。
そんな彼がなぜスピーチの個別トレーニングを受け続けているのかお話しを聞きました。
1、本当はもっと盛り上がる講演ができるのではないか
矢野さんのコンサルを受け始めたのは2013年からで、今でも顧問コンサルティング契約を結び定期的に指導を受けています。
矢野さんと出会った当時は既に講演活動を始めてから2~3年経過した頃でした。
それなりに話すことはできていると漠然と思っていました。
でもプロの指導は受けていませんし自己流です。何か指標のようなものが欲しいと思い始めました。
講演で話せばそれなりに盛り上がるけれど、「本当はもっと盛り上がるのかもしれない」「ネタの順番もこれでいいのか?」という不安が心の中にありました。
又、認知症の専門医ということもあり、患者さんが認知症についてインターネットで情報を調べてきたとしても、間違った解釈をされていれば説明もできるし、納得もしていただける。
これは自然にできたことですが、「思いを伝える」ということに対して何か学術的な根拠もあるのだろう。それが知りたいという思いは以前から持っていました。
2、医療コミュニケーションにおいても、プロの指導を受けている人はいない
僕の周りにスピーチコンサルをするような人が誰もいなかったのが、正直なところです。
彼女をパッと見て飛びついたということですね。
話す内容だけではなく、話すときの姿勢をどうすればよいかまで教えてくれます。
つまりどのように話せば伝わり、信頼を勝ち取れるのかまで指導をしてくれるのです。
それが継続的に彼女にお願いしている理由ですね。
僕はとにかく言われたことをキチッとやろうと思っています。
プロに言われたことを素直にまず聞いてやってみる。それが何ごともうまくいくものですから。結果的に、矢野さんの指導のおかげで講演はうまくなったと思います。
矢野さんから指導を受ける前は、一度話した内容はもう二度と話せない情報提供のような講演しかできませんでした。パワーポイントに、話したいこと書いてそれを説明するだけというものです。
ところが矢野さんの指導を受けることで、最初の導入でしっかりとお客さまの心をつかむ話をして、途中でも話を盛り上げる。
最後に落しどころをつけていい話だったねっていうふうに終わらせる。
そのような流れで講演ができるようになったので僕の話は何回聞いてもいい話になるわけですよ。
こんな話し方ができるドクターはいませんから。
先日、昨年に続き2回目の1000人集まる講演を開催したのですが、お客さまに満足して帰っていただく講演ができましたね。
講演をお願いすることあるのだけども、やっぱりなかなか自分たちが思った通りの講演してくださる人は少ないです。
矢野さんのおかげで僕は「本当に講演する力。伝える力」がついたように思います。
しかも講演だけではなく、「外来患者の対応」もうまくできるようになりました。
外来患者は悩みを抱えて当院にくるので、おざなりな対応(おざなりに見えてしまう対応)をしたら信用を失います。
一人あたりの患者さんにかけられる我々に与えられた時間は3分です。
外来は「3分の芸術」なのです。
ですから話し方だけではなく、患者さんが診察室に入ってきたときに、「どのタイミングで」患者さんの顔を見るか、患者さんの「どこを」見るか、「手の位置がどこなのか」というところまで全て矢野さんのアドバイス通りやりました。矢野さんはこの医師のコミュニケーションについて学術的な実験研究をしているので信用できます。
矢野さんのアドバイスをもとに外来患者さんに接すると「あの先生はすごくよく話を聞いてくれるいい先生だ!」と言われるようになりました。
同じ3分でも話し方ひとつでそう言ってもらえるか、あの先生は何も聞いてくれないという印象を与えてしまうか大きく変わるということを知りました。
医療コミュニケーションの技術の一つとして教えてもらった「アイブローフラッシュ」をやるだけで患者さんの持つ印象は変わるのです。
すると明らかに僕の外来患者さんにおける心象は良くなるわけです。
講演では同じ医者でも話し方がうまい人はいるかもしれません。
しかし外来患者さんの対応では負けることはないと思います。
医療コミュニケーションにおいて、プロの指導を受けている人はいないと思いますから。
3、講演でウケをとるとか、いい講演にするというのは自由自在になった
講演でウケをとるとか、いい講演にするというのは自由自在になったように思います。
今、年間50回ぐらい講演のオファーをいただきます。
リピートや紹介ばかりですよ。
どこに行って何を話しても一番うまいからだと思います。
講演料で言えば2~3万円だったものが30万円になりました。
お医者さんがパワーポイント使ってただ説明するという講演。
それは講演ではないと思うのですよ。
単なる情報提供です。
先程のお話の繰り返しになりますが、情報提供でしたら1回聞いたら終わりですよね。
僕の話は何回聞いてもいい話になるわけです。
ドクターは大体、学会でもそんな情報提供のような発表をします。
僕は矢野さんに教えてもらってからは本物の講演ができるようになりました。
最初の導入でしっかりと聴衆の心をつかんで盛り上げる。最後にちゃんと落しどころを付けていい話だったねっていうふうに終わらせる。
思いを伝える力が上がったなと自分でも感じます。
スピーチに関わることは何でもお願いしています。
テレビ出演のオファーのときも。
テレビはいきなり出演依頼が来ます。
例えばTBSテレビ『ジョブチューン』、テレビ東京『開運!なんでも鑑定団』、BS JAPAN「教えて!ドクター 家族の健康」などのオファーのとき指導してもらいました。
『ジョブチューン』のとき、矢野さんからは「他の出演者に何か聞かれたときは35文字以内で返してください」と言われました。
収録当日まで何を聞かれるか全然分からないのだけど、ずっと意識していたのは、「35文字で返す」ということでした。
だからネプチューンの名倉さんに話しを振られたら、35文字以内で返す。
すると向こうも返してくる。
そんなすごくいいキャッチボールができました。
(収録された映像を)何度も見直しましたが、とてもいい言葉のキャッチボールをしているなと思いました。
もしそのような指導を受けていなかったら、ダラダラ話していたような気がします。
あと『教えて!ドクター 家族の健康』は、元フジテレビアナウンサーの木佐 彩子さんと2人で認知症対策について話しをする番組でした。

インタビューを受けるときの視線の向け方やどうやって話せはいいかまで指導を受けていました。
相手の質問の意図を汲み取り、僕が話したことで
木佐さんがどんな反応をするかまでイメージして話す。
矢野さんとそんなトレーニングをくりかえしました。
インタビューを受けているときはどこに視線を向けて、
どうやって話せばいいかまで教わっていたので
とにかく気が楽になるのです。
あと、矢野さんは講演のときはかなり深くまで原稿を見てくださいます。
原稿だけでなく、原稿のネタづくりも上手な方ですよね。
認知症の話をどういう組み合わせで話したほうがいいかという指導も受けました。
彼女がすごく上手なことは、ネガティブなエピソードをプラスに変えてくれることです。
あるとき、患者さんのアンケートの中に、「長谷川先生はあまり患者さんのことを考えてくれませんね」という回答がありました。
そのときは結構落ち込みました。
そこで矢野さんに相談したら、ニコッと笑って「先生、これ使えますね」と言われたのです。
矢野さんが考えてくれた講演のつかみの内容は、
『今日は認知症の話をするのですが実は患者さんのアンケートで、「先生はあんまり患者さんのことを考えていませんね」と言われることがあるのです。
私自身も認知症を患った親族を持つ経験があり、どうしてもご家族のことを優先した話になってしまいます。ですから、きょうの講演は、元認知症の家族がしゃべる話だと思って聞いてください。でもみなさん。

「ネガティブなエピソードもプラスに変えてくれるのです」
自分が認知症になったとしたら、
自分の家族にだけは迷惑掛けたくないと思いませんか?』
というものでした。
アンケートの内容は全否定に近いカタチでした。
でもその全否定をプラスの講演ネタに変えてくれたのが
矢野さんです。
4、テレビ東京『開運!なんでも鑑定団』に出演した経験を講演のネタにしてくれた
『開運!なんでも鑑定団』に出演した経験を講演のネタにしてくれたときですね。

TV東京で24年以上続いている番組です。
そこで矢野さんが考えてくださったスピーチの内容は、
『私は『開運!なんでも鑑定団』に出演したことがあります。
その収録現場で今田耕司さんが僕の耳元でささやいたことがあります。
何だと思いますか?
ご親族の方の認知症についてでした。
あのテレビに出ている華やかな今田耕司さんでも、家に帰れば認知症を心配しているひとりの息子です。
認知症はそれぐらい世の中に広がっているものなのですよ』
というものでした。
認知症の専門であることを印象づけながら何気なく『開運!なんでも鑑定団』に出演したことも自慢できますね(笑)
そんなネタをいくつも引き出してくださるので、自信を持って話せるようになりました。
矢野さんがよく言われるのは、導入と最後でスピーチの良し悪しは決まる。
導入で聴衆の心をつかめばあとは気楽に話せる。
そして最後に締める言葉も決めていれば安心して話しをするこができるというものです。

テレビ東京「開運!なんでも鑑定団」に出演した際にも、メディア出演のための個別トレーニングを受けています
そんな意味もあり、
必ず大人数が集まる講演のときは
矢野さんにチェックしてもらいますよ。
ありましたよ。最初は「あえいうえおあお!」とか発声練習でもするのかなと想像していたのですが、そういうのではなく想像以上でした。
例えば「話す時の姿勢」なども教えてくれました。
TBSテレビ『ジョブチューン』に出演したときの例ですが、その番組では他のドクターも10人くらい並んで出演しました。
そのときに「椅子の座り方」について細かく指導してくれましたね。
「椅子の前から絶対に動かない!」「ここに!座ってください」(椅子の前部を指さして)などです。
するとTVでは僕が一生懸命、番組に参加しているように映るのです。
他のドクターはどっかり深く座るので偉そうに見えてしまっているはずです。
は矢野さんのおかげで偉そうに見えることを防ぐことができました。
視聴率12パーセントで世の中1200万人の人が見ています。

TBSテレビ「ジョブチューン」に出演した際には座り方や姿勢のアドバイスも受けています。
これで僕の印象は良くなったはずですね。
普通椅子のどこに座るかなんて考えもしないじゃないですか?
そんなこともあり、突然のテレビ出演のときには
「どうしよう、矢野さん」
みたいな感じでいつも頼っています。
矢野さんの指導は、どう表現すればよいか
言葉が難しいのですがコーチング的な要素があります。
講演の予定がなくても、とりあえず矢野さんに会いたいみたいなところがありますね。
気持ちも上がりますし話をしていると自分の中で話が整理されます。(雑談のような会話が)いい講演ネタに変わったりもします
5、プレゼンのときは「楽譜」のようでした
出版企画をプレゼンしたときです。
講演は90分あるからいいですけど、3分間でずらりと並ぶ出版社代表の編集者たちの前で自分の出版企画をプレゼンしなければならないときがありました。
ある意味、講演の90分よりもレベルの高い話です。
3分間というのはミスが許されませんから。
だから僕もいまさら講演では緊張しないのに、プレゼンの3分間はやっぱり緊張しましたね。
もう、どれだけ練習をしたか覚えていないです。
一種の楽譜ですよ。
「ここまではゆっくり」「ここからスピードを上げる」「残り30秒一瞬、間を置く」「この言葉で全体を見回して」っていう感じで細かく話し方を決めていくのです。
5社から出版オファーの声がかかりましたね。
これが私の親指本のきっかけになりました。
あのベストセラーはこうして生まれたのです。
(※サンマーク出版「親ゆびを刺激すると脳がたちまち若返りだす!」は10万部超えのベストセラーとなっています)
あのときのプレゼンのおかげで優れた編集者とつながりが持てました。
たった3分間のプレゼンでしたが、
その3分間が人生変えることにもなるのですね。
6、スピーチのネタを出していくときは優しくない
スピーチのネタを出していくときは優しくないですよ(笑)
「この講演で何が伝えたいですか?三つ挙げてください」と聞かれます。
最初のころは「それを教えてよ」と心の中で思ったりするときもありました。
でも伝えたいことを伝えると、具体的なアドバイスがいただけます。
そこはやっぱりメッセージ力を上げるために矢野さんも厳しくせざるを得ないところだろうなと思うのですけどね。
このときは本当に脳みそを絞りきる感があって結構きついですよ。
できたら生涯、矢野さんにお世話になりたくないことですが、もしあったらお願いしなければと思っていることはあります。
「謝罪会見」です。
もしやらなければならないようなことがありましたら、矢野さんに指導をお願いしますよ。
それぐらい「話し方」次第で、聞き手に与える影響力が変わるということを知りました。
矢野さんのお得意とする、言葉と言葉以外のノンバーバル(非言語)との組み合わせで伝わり方が変わってしまうことを経験していますから。
7、5年続けている個別トレーニングは「投資的発想」から
月に1回です。
投資という感覚です。
確かに相談するスピーチの予定が特にないときもあります。
でもそれでもいいのです。
効果的なコンサルタントの使い方というものがあります。
変な話しですが、コンサルタントの使い方がみな割と下手ですよ。
「コンサルタントが何してくれるの?」と聞かれます。
大事なのは「何してくれるの?」じゃなくて、「自分が何をしたいのか?」だから。
矢野さんの場合は、雑談の中で、ワンフレーズでもいいものをスピーチネタとして引っ張ることができたらそれだけでOKです。
その辺りは、「投資的発想」ができるかどうかじゃないでしょうか。
スポットというのは「消費的発想」なのです。
消費的発想というのは、今回こういうことがありますからこれに対する情報が欲しいという「イコール」です。
だから、千円の本を千円出して払う。その情報を買うという発想。
でも僕らは経営者ですから。
今の投資でその10倍、場合によっては100倍のものを得ようというふうに考えなければなりませんから。
だから矢野さんのクライアントさんは成功している経営者多いよね。
みんなせこいことを言わないのではないでしょうか?
8、一生を左右する場面で、聴衆の記憶に残らせるスピーチをさせてしまう
できます。
今の時代は例えば、講演は一切しない、メディアにも出ないとしても(経営者や管理職は)社員とは話します。
社員にも話すし、お客さまにも話す。
経営者として「話す機会がない」人はいないでしょう。
結婚式のスピーチをする機会もあるでしょう。
先日知人が、出席したある結婚式で、素晴らしいスピーチがあったと話していたんです。
「素晴らしいスピーチだった。私は彼に惚れた」ということを知人は言ってましたね。
後日、それをスピーチした本人に言ったら、その人も矢野さんのトレーニングを受けていたそうですよ。
「なーんだ!」と笑いました。
彼はずっとカラオケボックスか何かで練習したようだけどね。
矢野さんは一生を左右するかどうかという場面で、聴衆の記憶に残らせるスピーチをさせてしまうからすごいですね。
実は僕は頼んでいないのですよ。
今までは、自己流でスピーチをしていました。
軽く考えていたのです。
自分なりにそこそこのスピーチはできると思っていましたから。
でも矢野さんにかかれば、もっと聞き手を感動させられたと思います。
実は内心では結婚式のスピーチは矢野さんに頼むことじゃないと思っていたところもあってね。
でも次からは頼もうと思っていますよ。
9、介護スタッフの話し方にも変化
スタッフの指導に活かしていますよ。
矢野さんから教わった「PREPLP」です。
いろんなところで使っているかな。
「何が言いたい?」「なぜ?」「具体的には?」というものです。
スタッフの業務報告の際に伝え方を指導するときもあります。
介護施設のスタッフで、説明が苦手な人がいるのですよ。
「おまえ何言っとるか分からん」と叱りました。
そして、「最初にまず結論を言いなさい」と。
「で、そのあと理由を言って、具体的な例を言いなさい、思いはそのあと。」
と言うと、
「ああ」と言うわけ。
スタッフはみんなトレーニングを受けたことがないだけで、伝えたい気持ちはあるのです。
だから「まず何が言いたいかポイントを決めて」と伝えています。
「そのあと、理由を言えばいいのだよ」と言うと、結構みんな
「あ、そう言われればそうですね」と納得します。
そうすると的確に話せるようになる。
スタッフの報告もスムースになりました。
10、経営者におすすめする理由
やっぱり経営者ですね。
もうワンステップ上がりたいという経営者におすすめします。
自分の思いを伝えて組織を大きくしたいという段階の人かな。
経営者の人は自分では気づきづらいいいものを持っているでしょう。
そこで何か自分自身の人間性というか過去の経験などを改めて振り返る。
それをいかに上手にお伝えするかということだけでも、相当変わるのではないでしょうか。
聞けば聞くほど良いものをもっている経営者がいますからね。
その眠っている価値の掘り起こしを矢野さんがやる。
彼女はいいものを引っ張ってくださる人です。
だからある程度実績上げてきて、もうちょっと上に向かいたい。
そんな向上心がある人は矢野さんのトレーニングを受けてみるといいでしょう。
講演の仕事をしているけれど、もっとうまく伝えられるようになりたいなというひとにもおすすめですね。
それから医者にもおすすめします。
外来患者さんも喜んでくれますからね。
すごく満足して帰ってくれる。
診療の3分を最大限有効に使うことができます。
だからドクターもおすすめかもしれないね。