この秋おすすめのビジネス書

まだまだ残暑が続きますが、
朝晩は少し涼しく感じられ、
秋の気配がしますね。

今回は、読書の秋に向けて
おすすめの本をご紹介します。

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権力はコミュニケーションスキルの一つである
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今回ご紹介するのは7月に上梓された
『スタンフォードの権力のレッスン』
デボラ・グルーンフェルド (著)
御立 英史 (翻訳)
ダイヤモンド社
https://bit.ly/3xZVa9U

本書は、全米トップクラスのビジネススクール、
スタンフォード大学GSB(経営大学院)で
「人を動かす」ための至高のメソッドとして
人気の講義を書籍にしたものです。

著者のグルーンフェルド氏は、
スタンフォード大学経営大学院
社会心理学教授で、
権力と組織行動について
25年間研究してきた方です。

実は、このグルーンフェルド教授の専門分野と
私の専門分野が同じなのです。

私は「権力」とは名付けていませんが、
「正統派スピーチ」として
エグゼクティブの方々に
同じようなコミュニケーションスキルを
コンサルティングしています。
そういう興味から早速読んでみました。

本書では
権力とは何かという定義から
権力を上手に使う方法、
あるいは、権力に対抗する方法まで
幅広く述べられています。

以下、本書の目次です。

<PART1> 権力とは何か?
その正体を正確に知る

<PART2> 権力を戦略的に使う
ハードパワーとソフトパワー

<PART3> 権力を感じさせる
パワフルに行動する方法

<PART4> 権力の手綱をさばく
権力への対抗策

権力という言葉に、
あまりいい印象を持たない人もいるでしょう。

しかし著者は、
権力を上手に使うことは
コミュニケーションスキルの
一つとして提案しています。

本書の
「PART3 権力を感じさせる
パワフルに行動する方法」で
書かれている「権力を演じる」が、
とくに私の専門にあたります。

本書で紹介されている
ビジネスパーソンがスーツを着用する
「スーツ・アップ」というスキルや、
女性のビジネスパーソンがハイヒールを
履くことをやめられない理由は(165頁)、
私たち日本の研究事例にも共通点があり
興味深く拝読しました。

実は、人前で話をするとき
靴は履くだけのものではなく、
音を出す道具でもあるのです。

聞き手が最も注目するのは、
話し手が登場するシーンです。
演台に立つまでにどんな足音で歩いていくのか、
その見せ方によって
相手に与える印象は変わります。

(詳細は、拙著『NHK式+心理学
一分で一生の信頼を勝ち取る法』
https://bit.ly/2WRLl1n


でも述べていますので、
参考になさってください)

つまり、本書で言及されている
「権力を演じる」とは、
私が常々セミナーやスピーチコンサルで
「一挙手一投足に意図を持つ」
とお伝えしている部分です。

『スタンフォードの権力のレッスン』
ぜひ読んでみてくださいね。


★「何を語るか」の言語表現テクニック。
「どう語るか」の非言語表現テクニック。
この2つに意図を持つことで
人を動かす話し方となる。
そんな「NHK式」話し方を公開。

https://bit.ly/3tpca8V

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あとがき
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9月5日、
東京パラリンピックが閉幕しました。

ほとんどの競技が無観客という異例の形で
行われた今回のオリンピック・パラリンピック。
しかし、アスリートたちにとって、
大きな舞台であることには変わりありません。

競技終了後のインタビューでは、
いくつもの名言が生まれましたね。

競泳女子個人メドレーで2冠に輝いた
大橋悠依選手。

「自分のレースをしようと思って
自分を信じて泳いだ」

「自分を信じて泳いだ」という言葉は、
各メディアでも見出しに使われました。

アーチェリー男子個人で
銅メダルの古川高晴選手。

「本当にうれしいけれど、
それよりも感謝の気持ちが大きい」

人柄が感じられるコメントでした。

まさかの落下という結果に終わった
体操男子種目別鉄棒の内村航平選手。

「僕が見せられる夢はここまでかな」

長く体操界を引っ張ってきたからこそ
の言葉ではないでしょうか。

そして、日本のパラリンピック選手で
史上最年長、50歳で金メダリストとなった
自転車女子個人ロードレース
(運動機能障害)の杉浦佳子さん。

「最年少記録は二度と作れないけど、
最年長記録はまた作れます」

限界を自分で決めつけない強い言葉に、
勇気づけられました。

一方、14歳で銀メダリストとなった
競泳女子背泳ぎ(運動機能障害)の
山田美幸さん。

「水泳をしていなかったら、
経験できない夏休みになったと思っています」

とても初々しいコメントでした。

いずれも、この大会のために
全力を尽くしたからこその重みがあり、
その思いの深さに
聞き手は心を動かされるのだと思います。

★心理学に基づくアカデミックな
 話し方のスキルを動画で学びましょう。
 繰り返し見ることで、学びが定着します。

『「人を動かす話し方」を身につけるための
 教材専門オンラインSHOP』
https://bit.ly/3tpca8V

2021年9月8日