表現・印象にまつわるアレコレ

緊張しているときでも自然で落ち着いているように見えるコツ

先日、
ロボット演劇を観てきました。
人間とロボットが共演する舞台です。

演出家の平田オリザ先生と、
アンドロイド研究の第一人者である
大阪大学の石黒浩教授の
コラボレーションにより実現しました。

2008年の初演以来
世界初の試みとして注目され、
世界中で上演されています。

平田オリザ氏 © Tsukasa Aoki
出典:http://www.seinendan.org/

石黒浩氏は、マツコ・デラックスさんのアンドロイド「マツコロイド」の制作者としても知られています ©NTV
出典:https://news.walkerplus.com/article/59341/

この舞台で
人間らしく見えるよう
平田先生がロボットに行った演出と、
人前でうまく話すコツに
ある共通点がありました。

今回はこの共通点についてお伝えします。

このコツを取り入れると、
緊張してカチコチに固まってしまい
ロボットのようになってしまっている
あなたの話し方が、
緊張していない自然な話し方に変わりますよ。

 

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マイクロスリップで自然に見える
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今回上演されたのは、
ロボットと俳優2人が共演する
「働く私」と、
人間そっくりな外見を持つアンドロイドと
俳優2人が共演する「さようなら」の2作品。

この舞台のテーマは
「人の”心”ってどこにあるんだろう」。

あなたも
いままでどこかで
ロボットがデモンストレーションをする
場面を見たことがありませんか?

例えばロボットが
ボールを蹴ったり、
段差を乗り越えたり、
おしゃべりをしたり。

そんなロボットを見て
私たちは「すごい」と感心こそするけれど、
感動することはあまりないですよね。

ロボット演劇は、
ロボットで人に感動をさせることができるか
をテーマに、
平田先生と石黒先生が
作り上げたプロジェクトです。

舞台を演出した平田先生によると、
「人間らしさ」とは何か?
を追求しながら役者やロボットの動きを
つけていったそうです。

果たして「人間らしさ」とは?
ロボットを人間らしくするために
取り入れた動きとは?

その答えは、
「無駄な動き」です。

平田先生によると、
人間は何か行動をするとき、
無意識に無駄な動きが入るとのこと。
これを認知心理学では
「マイクロスリップ」と呼びます。

演技がうまいと言われる俳優は、
マイクロスリップが
適度に入っているそうです。

例えば
大竹しのぶさんのような
「うまい」と言われる俳優は
同じ舞台を何度経験しても
同じだけマイクロスリップが入るからこそ
うまいのだそうです。

平田先生は、
ロボット演劇の演出にも
この考え方を取り入れました。

ロボットに対して、
この台詞の間は0.2秒空けるとか、
右手をあと15センチ上げるとか、
細かな「無駄な動き」をつけていったのです。

2分間の場面に対して、
およそ20か所もの注文をつけたといいます。

その注文に応じて、
プログラマーがプログラミングを修正すると、
ロボットの動きが
格段にリアルになったそうです。

この「無駄な動き」マイクロスリップは、
人前で緊張したときにうまく話す方法としても
使うことができます。

ロボットを人間らしい動きにするために
演出した動きをとりいれると
話し方がうまくなるというのは、
とても興味深いですね。

ある心理学の研究データでは、
様々なマイクロスリップの中でも、
ある動作が最も自然に見えるという実験結果が
報告されています。

その動作とは、
「視線をそらす」という動作です。

人前で話すとき
緊張しているのが傍目から見ても
分かってしまう…という方は、
ぜひ適度に視線を外してみてください。
自然で落ち着いて見えますよ。

視線の外し方にもコツがあります。
話しながら視線を外すと、
自信なさげに見えてしまいます。
そこで、
「間」を取って視線を外すのです。

拙著『最高の話し方』では、
「間」を取ることにあまり慣れていない人が
自然に「間」を取る方法として、
他の行動をとりながら
結果として間をあける方法を
ご紹介しました。

視線を外すというのも
その行動の一つとして使えるのです。

詳しくは、同書をご覧くださいね。


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さらに、
書籍だけでは分かりにくいという方のために
「間」の取り方を私が実践しているDVDを
現在制作中です。

今月中にご紹介できる予定です。
どうぞお楽しみに!

普段無意識に行っている非言語表現を
コントロールするという点は、
演劇もスピーチも同じです。

ぜひ
マイクロスリップを取り入れて
自然なスピーチをなさってみてくださいね。

 

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あとがき
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最近、入社式や入学式の挨拶のための
スピーチコンサルの依頼が相次いでいます。

トップとして最初に何を語るか。どう語るか。

それは、
組織のモチベーションに関わってきます。

今後この人についていきたい、
と思わせることができる好機ですから、
しっかりと準備をしましょう。

 

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奇跡の再生を起こした高田明氏の言葉の力

現在開催中の平昌オリンピック。
日本選手の活躍もあり、
連日盛り上がっていますね。

さて、こちらも注目したいのが、
2月23日に開幕を迎えた
サッカーJ1リーグ。

長崎出身の私にとって
今年は特別の思い入れがあります。
というのも、今シーズン、
V・ファーレン長崎が
初めてJ1に昇格したからです。


出典:https://www.facebook.com/nagasaki.yattemyudesk/

今回のV・ファーレン長崎
J1昇格の立役者であり、
長崎出身のカリスマ経営者といえば
ジャパネットたかた創業者の高田明氏。
(「高」は「はしごだか」)

今回は
先日、その高田氏とお話しをしたときに
お聞きした言葉をご紹介します。

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言葉で聞き手を巻き込み、結果を出す
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2016年のシーズン
V・ファーレン長崎は、J2で15位。
しかも、
累積で約3億円もの赤字を抱えるなど、
チームは経営難にも陥っていました。

そんな中、2017年4月に
V・ファーレン長崎の社長に就任し
チームのかじ取りを担ったのが、
高田氏でした。

高田新体制のもと臨んだ
2017年シーズン、
V・ファーレン長崎は一挙に2位に躍進。
J1昇格を決めたのです。

このことについて
「長崎の奇跡」
「奇跡の再生」
と、メディアでは報じられました。

そんな高田氏に
先日お会いすることがありました。

そこで、
どうやってサッカーチームを強くしたのか、
もともと高田社長は
サッカーにも詳しかったのか、
と伺ってみたのです。

すると、高田氏は
あのいつもの口調で笑顔を見せつつ
「私は何もしていませんよ~」
とおっしゃいました。

「ただ、チームにこう伝えただけです」と。

「私は経営のプロ。
 だから、V・ファーレンの
 企業再生は私に任せてください。

 監督と選手のみなさんはサッカーのプロ。
 サッカーの練習と試合に
 集中してください。」

企業、チームの存続を心配しながら
プレイしたのでは、
選手は実力が出せません。

そこで高田氏は
それぞれが自分のやるべきことをやれば
道は開けるということを
簡潔な言葉で伝え、
みんなを安心させたのです。

この言葉に奮起したチームは
これまで以上の能力を発揮し、
J1昇格を成し遂げたのです。

これぞ、
まさに聞き手を巻き込む言葉の力ですね。

高田氏はご自身の著書
『伝えることから始めよう』
で、こう語っています。

「何か他人に伝えるときに大切なのは、
 スキルとマインドそしてミッションだと
 私は思っています。」

詳しくは同書を
お読みになっていただきたいのですが、

マインドとは情熱、
何かを伝えたいという熱い思いのこと。

ミッションとは
なぜ、何のために伝えるのかということ。

スキル、マインド、ミッションが揃って初めて
言葉は力を持ち、人を動かすのです。

今回の高田氏のチームに対する言葉も
この3つが揃っていたからこそ、
選手のやる気を引き出し
J1昇格という結果を生み出したのです。

『伝えることから始めよう』
ぜひお読みになってくださいね。
https://www.amazon.co.jp/dp/4492045902

さらに、この本の中で
私が共感した部分をご紹介します。

「多くの人に情報を伝達する仕事をする人は、
 先に人間性を磨かないといけない
 と思います。
 それは、非言語の表現に
 人間性が現れてしまうからです。」

「お客さまは、
 極めて冷静に相手を見ています。
 相手の顔や声、語りや身振り手振りなど、
 そのすべてを総合的に受け止めて、
 信頼がおける人物かどうかを
 判断していますよ。」

高田氏が非言語表現をとても
重要視していることが分かります。

伝えるということについて、
深く考えていらっしゃるからこそ、
彼の通販番組は
多くの方に支持されたのでしょうね。

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ビジネスに活かすのであれば、
「NHK式」の話し方が効果的です。
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あとがき
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「新聞記事で見て買うつもりでした。
 矢野先生の本でしたか。」

今回高田さんに
拙著『最高の話し方』
https://www.amazon.co.jp/dp/4046019425/
をお渡ししたところ、いただいた言葉です。

「『間』の本と聞いたので
 読みたかったんですよ」
とのこと。

高田さんも
「間」を大切にしていらっしゃるんですね。

後日お会いしたときには
「矢野先生の本
 移動中に読もうと持ち歩いていますよ~」
と、おっしゃってくださいました。

こうしたちょっとした一言にも
言葉の力を感じました。

 

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