話すうえで最も大事なこと~国谷元キャスターと小泉議員が共通して指摘する条件~


前回、
NHK「クローズアップ現代」のキャスターを
務めた国谷裕子氏の著書
『キャスターという仕事 』(岩波新書)
を紹介しました。
https://www.amazon.co.jp/dp/4004316367/

今回も、この本を題材にしながら
話すうえで大事なことは何かということ
についてお伝えします。

本書を拝読して興味深かったのは、
国谷氏が
言葉を使う際に大事なこととして、
小泉進次郎衆議院議員と
同じことを言っている点でした。

お二人が
話すうえで最も大事なこととして
あげている条件とは?

それは「熱」です。

国谷氏の著書から引用します。

「前説は自分の言葉で書かないと、
『熱』のようなものが伝わらない。
たとえたどたどしくても、
キャスターが熱をもって話しているかどうかで、
視聴者は関心のないテーマでも
聴いてみよう観てみようという
気持ちになると信じていた。」


出典:http://www.nhk.or.jp/(http://www.nhk.or.jp/gendai/20th/interview_02.html)

(※前説とは番組冒頭のおよそ2分の
キャスターによる挨拶や解説)

一方、小泉議員は
去年11月大学生に向けたスピーチで、
こんなことを言っています。

「私が常に心がけていることは、
自分の話している言葉に、
体温と体重をのせることです。
実際、言葉に体温と体重はありません。」

「だけど必ず、言葉には温度・体温、
それがのります。
そして、受け取る側の感じる重量、
それが必ずあると僕は信じています。」
(出典:http://logmi.jp/188902)


出典:http://logmi.jp/(http://logmi.jp/188902)

国谷氏のいう「熱」。
小泉議員のいう「体温」。

これこそが言葉の力であり、
「正統派スピーチ」
信頼されるための話し方の秘訣です。

あなたのスピーチに「熱」はありますか?
そもそもあなたには
聞き手に伝えたいという思い、
つまり
「熱のおおもと」はあるでしょうか?

この熱源が見つからない限り、
どんなスピーチテクニックを使ったところで
相手に届く話し方はできません。

自分のスピーチに「熱」はあるか?
ぜひこの視点で今一度
ご自身の言葉と向き合ってみてください。

私自身も襟を正す思いで
今一度向き合うつもりです。

 

わかりやすく伝えるよりも大事なこと


NHKの「クローズアップ現代」で、
去年3月まで23年間キャスターを務めてきた
国谷裕子氏の著書
『キャスターという仕事』を拝読しました。


出典:https://www.amazon.co.jp/

本書の中で
「わかりやすく伝えるよりも大事なこと」として、
国谷氏が指摘していた考え方を
皆さんにもぜひお伝えしたく、ご紹介します。

私は
NHKでキャスターを務めていたとき、
国谷キャスターが講師を務める研修を受けました。
それ以来、憧れの先輩の一人として
追いかけてきました。

スピーチ研究を始めてからは、
国谷キャスターのVTRを
研究材料として分析してまいりました。

「クローズアップ現代」最終回の放送についても、
「NHK式」の信頼性の高い話し方として
敬意をこめて分析させていただき、
このブログでもお伝えしたこともありました。

http://authenty.co.jp/blog/archives/1854

今回は書籍という形で、
国谷氏がどのような思いで
キャスターとして番組に関わっていたかを
ご自身の言葉で語っています。

そのなかで特に印象に残ったのがこの言葉。
わかりやすく伝えるというよりも、
きちんと伝えたい

国谷氏は
「わかりやすく伝えることは
本当に視聴者のためになるのか?」
と疑問を投げかけます。

わかりやすい伝え方に慣れてしまうと
わかりやすいものだけにしか興味をもてなくなると、
その危うさを指摘しているのです。

そして、
問題の深さや複雑さがきちんと伝わるようにするため、
言葉の使い方に力を注いだ

さらに
「前説の中でポイントになるところは、
きちんと私の正面の顔に映像を戻してほしい
と注文した。
視聴者にフェイス・トゥ・フェイスで伝えたかった。
思いを伝えるためには
目線を合わせて話すことが大切だと思っていたのだ。
と語っています。

(※前説とは番組冒頭のおよそ2分の
キャスターによる挨拶や解説)

言葉で伝えることの難しさに向き合いながら、
言葉の力を信じて伝える。
国谷氏の真摯な姿勢に頭が下がります。

キャスター・アナウンサーという仕事を
している方々はもちろん、
言葉を使う職業の方々全てに
絶対にお読みいただきたい一冊です!

言葉の力を信じながら伝えるとはどういうことか。
その仕事に携わっている厳しさ、そして幸せを
再度見つめ直すことでしょう。

『キャスターという仕事 』(岩波新書)
国谷裕子 (著) 2017年1月出版
https://www.amazon.co.jp/dp/4004316367/

さらに興味深かったのは、
本書で国谷氏が
言葉を使う際に大事なこととしてあげていた条件が、
別のスピーチで小泉進次郎衆議院議員が
語っていた条件と同じだったことです。

こちらについては
次回またあらためてお伝えしますね。