矢野香 博士号取得のご報告


ダルマが割れてしまいました!

私事なので
あまりお伝えしておりませんでしたが、
大学教員として
心理学の見地からスピーチ研究を続けており、
この春、博士号を取得いたしました。

大学院入試の時に、合格祈願をしたダルマ。

ピンクの桜がついたダルマを見つけ、
「サクラサク」の縁起をかつぎ衝動買いしました。

入学後は、
机の上に置いたこのサクラダルマに見守られながら
博士論文と格闘しました。

修了後はダルマに眼をいれて
記念に飾ったままにしておきました。

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「話し方が上手くなった」
「話が伝わるようになった」
「良い感じの話し方」

話し方についてのこれらの誉め言葉は
心理学の立場からいうと意味がありません。

そもそも「話が上手い」とは
具体的にどういう行動をいうのか?

どんな言葉を使い、どんな声で、
どんな表情で、どんなジェスチャーで話せば
相手に「上手い」と感じさせる、
「伝わる」話し方、「良い感じ」の話し方ができるのか?

そして、
その話し方はどのようなトレーニングで身につくのか?

これが私の研究テーマです。

………………………………………………………………

おかげさまで
博士論文としてまとめることができ、
「今後はこの研究成果を社会にお伝えして貢献せねば。」
と思っていた矢先…。

割れてしまいました。
サクラダルマ。

何もしてないのに
机の上から落ちてしまったのです。
もちろん地震でもありませんでした。

「何?なんで落ちるの??」

神様とかスピリチュアルとかを
ものすごく信じている、とかではないのですが
「次にいけ!」
「行動せよ!」
と、天から指令を受けたような気がしました。

「Take time to deliberate,
but when the time for action comes,
stop thinking and go in.」

「じっくり考えろ。
しかし、行動する時が来たなら、
考えるのをやめて、進め。」

と、ナポレオンは言ったそうです。

8年間じっくり研究し、
考えてきたこのメソッド。

行動する時がきたのかもしれない。
考えるのをやめて、進むとき。
ダルマがそんなことをメッセージとして
伝えてくれている気がしました。

この夏、考えるのをやめて進みます!
今後ともどうぞよろしくお願いします。

オバマ前大統領が8年間やり続けたスピーチテクニックとは?【後編】


前回に引き続き、
バラク・オバマ前米国大統領の
スピーチテクニックに関する、
Fさんからのご質問について
共有させていただきます。

今回Fさんはこちらの記事を見て
質問をくださいました。

http://front-row.jp/_ct/17085557
『夫人が告白
「オバマ前大統領は8年間同じスーツを
着ていたのに気づかれなかった」』

同じ服装を続けるのは、
自分という人間を周囲に認識してもらうための
「非言語表現」としての戦略です。

しかし、周囲に気づかれなかったのであれば、
効果がないのでは?
というのが、Fさんの疑問でした。

そもそも、
オバマ氏は8年もの長い間同じタキシードを
着ていたにもかかわらず、
なぜ周囲の人に気づかれなかったのでしょうか。

それは、
黒のタキシードだったからです。
そのため「フック」になりませんでした。


出典:http://www.huffingtonpost.jp/
(http://www.huffingtonpost.jp/2017/06/08/
barack-obama-tux_n_16996294.html)

もし、オバマ氏が8年間着続けたのが
白のタキシードや柄物のネクタイだったとしたら、
それは「フック」となるため
周囲は気づいていたことでしょう。

「フック」とは、
何かを伝えるときに
聞き手を引きつけるための
表現上の仕掛けです。

黒のタキシードは
パーティーのときの服装として
安定感があり一般的です。
普通すぎて「フック」にならなかったため、
周囲に気づいてもらえなかったのです。

つまり
同じ服を着るという
非言語表現のテクニックを使うときには
「フック」をいかに作るかがポイントになります。

あまり奇抜な服装をしすぎると、
「変わった格好をしているなぁ」と
本来伝えたい内容ではなく
洋服の方ばかりに注目されてしまいます。

これでは「ノイズ」です。
しかし、ノイズを排除するあまり
場になじみ過ぎては、
せっかくの意図的な非言語表現も印象に残らず
「フック」としての効果がありません。

「フック」の役割を担うのは洋服だけではありません。
ネクタイやアクセサリー、腕時計、カフスといった小物。
こうしたアイテムにも自己主張するものを取り入れると、
「フック」にすることができます。

さて、周囲に気づかれなかったのであれば、
効果がないのでは?
というFさんの質問に戻りましょう。

「フック」という意味では、
残念ながらFさんのおっしゃるとおり
効果がなかったのかもしれません。
しかし別の効果があったかもしれません。

例えば、
オバマ氏と同様に
同じ服を着つづけた著名人と言えば、
元アップル社のCEO
 故スティーブ・ジョブズ氏や、
FacebookのCEO
マーク・ザッカーバーグ氏がいます。


出典:https://www.forbes.com/
(https://www.forbes.com/sites/jacquelynsmith/2012/10/05/
steve-jobs-always-dressed-exactly-the-same-heres-who-else-does/#6db293115f53)


出典:https://www.facebook.com/
(https://www.facebook.com/qawithmark/photos/
rpp.823440467713730/838237052900738/?type=3&theater)

同じ服を着続ける理由について、
2014年にザッカーバーグ氏本人が
Facebookユーザーからの質問に答えるかたちで、
次のように話しています。

「『できるだけ決断の数を少なくしたい。
朝食に何を食べるかとか、
どんな服を着るかとかいう小さい決断は、
エネルギーを消費する』と述べた。
ザッカーバーグ氏は、
Apple創業者のスティーブ・ジョブズ氏や
オバマ大統領をあげ、
彼らも衣装を選ぶ際には
同様の理論を持っていると指摘した。」
(出典:http://www.huffingtonpost.jp/2014/11/06/facebook-ceo-why-mark-zuckerberg-wears-the-same-t-shirt-every-day_n_6118592.html

もしかしたらオバマ氏は
相手に伝えるための非言語表現という視点ではなく、
ザッカーバーグ氏と同じように
仕事上での大きな決断をするために
小さな決断の回数を減らす

という意図で、
同じタキシードを着ていたのかもしれません。

そういう意味であれば、
オバマ氏の戦略は成功だったのではないでしょうか。

Fさん、ご質問ありがとうございました。

いつも同じ服を着るにしても、
単に服を持っていない人に見えるか、
それとも
「フック」にしている、
決断の数を減らしているなど、
何かのこだわりを持って
同じ服を着ている人に見えるか、

そこには大きな違いがあります。

ぜひ
私たちは後者に見えるように工夫をしたいですね。