「この人と話してみたい」と思ってもらえる話し方


私事ですが、大のチョコレート好きです。
ありがたいことに、
クライアントの方々や読者の方々から
チョコレートをいただくことがあります。

最近、変わり種のチョコレートを
立て続けにいただきました。

ひとつは、東京のあるショコラティエ
(チョコレート専門店)の
東京店限定のチョコレート。

何が限定かというと、
皇居周辺の「そめいよしの」と「きんかん」から
養蜂家が採取した貴重な蜂蜜を使っているとのこと。



食べるとトロリと蜂蜜が出てきました。
蜂蜜の成分が身体にもよいという
一石二鳥のチョコレートです。

もうひとつは、
沖縄に去年オープンして人気が出ているという
お店のチョコレート。
沖縄の方からいただきました。

こちらは、
沖縄のさとうきびを使っているのが特徴です。
いただいたものは
多良間島産純黒糖と島ザラメを使っているとのことで、
ジャリっとしたザラメの食感が新鮮でした。

これらのチョコレートをくださった方は、

「皇居周辺の蜂蜜が入っている東京店限定の
チョコレートです」
「沖縄でいま人気のさとうきびを使った
チョコレートです」

と、渡すときに
その特徴を述べてくださいました。

こういう一言があると、
チョコレート好きの自分のために
わざわざ選んでくれたんだろうなと嬉しくなり、
よりおいしく味わうことができました。

チョコレートを食べながら
ふと考えました。
チョコレートを渡すときのこうした一言は、
人間も同じだなぁ、と。

パーティなどで初めての方に会ったとき。
あなたは
ホストからどういう紹介をされるでしょうか?

たとえば
「弁護士をなさっているAさんです」
だとしたら、
さしずめ
「本場ベルギーのチョコレートです」
という肩書・属性だけの紹介でしょう。

「〇〇にお勤めのBさんです」
だとしたら
「GODIVA(ゴディバ)のチョコレートです」
というショップやブランド名だけの紹介でしょう。

これらの残念な点は、
同じ紹介をされる人(チョコレート)が
他にもたくさんいる(ある)ということです。

それよりも
「皇居周辺の蜂蜜が入っている東京店限定の
チョコレート」
「沖縄でいま人気のさとうきびを使った
チョコレート」
といった紹介の方が
「ぜひ食べてみたい」という興味を引きますよね。

あなたは
「ぜひ話してみたい」と
相手の興味を引くような一言で
自分の特徴を紹介してもらえるでしょうか?

それが、
その後のコミュニケーションを決定づける
と言っても過言ではありません。

肩書や属性だけの紹介なら、
同じような人はごまんといます。
それでは
相手に自分を印象付けられません。

もちろん、
ある日突然
他人が自分の特徴を捉え
一言で表現してくれるようになるはずはありません。

まずは自分から、
「自分はこういう人物だ」と
発信していかなければなりません。

自分を一言で説明したら何だろうか?

それは、
相手に興味を持っていただける特徴なのか?

さらに、
その特徴にふさわしいのはどんな話し方か?

これらについて考えることは、
「また会いたい」
「もっとゆっくり話をしたい」
と興味をもってもらえる存在になるための
第一歩になることでしょう。

人前で話すことに自信がなくなったときの特効薬


先日、ミュージカル
『SINGIN’ IN THE RAIN~雨に唄えば~』
を見てきました。
ロンドンのオリジナルキャストが来日しての
2年ぶりの日本特別公演です。

 このミュージカルは、
1952年に公開された名作映画『雨に唄えば』
を舞台化したものです。

雨の中で傘をさして
『SINGIN’ IN THE RAIN』を歌う、
あの有名なシーンを
今回の舞台では本物の水を使って演出。
水しぶきが舞う中のダンスに圧倒されました。
おすすめの舞台です♪

私は自分の仕事に対して自信がなくなったとき、
このままでいいのかと迷ったときはいつも、
ミュージカルや舞台、コンサートを見に行きます。

ステージ上のアーティストたちの
一挙手一投足を感じるためです。

私がスピーチコンサルタントとして
皆さんにお伝えしたいことは、
「一挙手一投足に意図をもち話す」
ことの大切さです。

自分の伝えたい思いを、
自分の言葉、自分の身体を使って
表現してほしいのです。
そのためには一挙手一投足
無駄のない表現を目指してほしいのです。

それに近い表現を
ストイックなまでに実践しているのが、
ミュージカルや舞台、コンサートでの
役者だったり、ダンサーだったり、
アーティストだったりするのだと
私は思います。

こう考えるようになったのは、
放送局でアナウンスの仕事をしていたころ、
当時、劇団四季の代表だった浅利慶太氏に
インタビューをしたことがきっかけです。

『ライオンキング』を
初めて日本で公演することになった1998年、
浅利氏に話を伺うとともに、
その練習風景を取材させていただきました。

そこには、
アナウンスの世界とはまた違う視点で
言葉や身体を使った表現について、
「伝える」ということについて、
真剣に考えている人たちがいました。
その情熱と技法に圧倒されました。

映画ももちろんいいのですが、
生の舞台には
やり直しのきかない緊張感があります。

荒い呼吸で上下する肩や波打つ胸、
身体から飛び散る汗。
演者が発するエネルギーを
じかに感じることができます。

その取材以来、私は
自分の表現について迷ったときには
舞台を見に行くようにしているのです。

もし、あなたが人前で話すことに対して
自信を失っていたら、
どう話していいか迷っていたら、
どうぞ彼らプロの舞台を見に行ってください。

そして可能であれば、
パンフレットやバックステージツアーなどで
その舞台裏の練習風景もご覧になってください。

本番のために彼ら彼女らが
プロとして
どれだけの練習と準備をしているか。
そして、
自分が日常でいかに無意識に
言葉を発しているかを感じるはずです。

人前で話すことに自信がなくなったときの特効薬は、
こうしたプロの表現を体感し、
あなたの中の表現欲求を高めることです。
「自分も彼らのように何かを伝えたい」
その思いに火をつけるのです。

私はいつも最後のカーテンコールでは、
胸が詰まる思いで涙が出そうになります。
このわずか数時間のステージのために費やした、
彼らの何年ものキャリアを思うからです。

本公演で主役を演じたアダム・クーパー氏は、
カーテンコールで
笑顔で共演者とともに現れ、
わざと(…だと思います)
雨の降る舞台で滑って転んでおどけていました。

その日の舞台をやり切ったという達成感が
全身からあふれていました。

『SINGIN’ IN THE RAIN~雨に唄えば~』は、
東京の東急シアターオーブで
4月30日まで上演されています。
可能な方はぜひ見に行ってくださいね。

http://singinintherain.jp/

※写真は主催者より撮影可能といわれたシーンを
撮影しております。