この夏共感を呼んだキーフレーズの伝わるヒミツ

9月に入って朝晩には涼しさも
感じるようになりました。
暑かった2022年の夏も終わりに
近づいていますね。

この夏、
あるキーフレーズが話題になりました。

「青春って、すごく密なので」

第104回全国高校野球選手権大会で優勝した
宮城県代表・仙台育英高校の須江航監督が、
決勝戦後のインタビューで発した言葉です。


出典:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220905/k10013803381000.html

今回は、
この言葉がなぜ多くの人の心をつかんだのか
分析します。

*******************************************
13文字以内で具体的に簡潔に
*******************************************

仙台育英高校は
29回目の出場で初の全国制覇、
しかも、
東北勢として悲願の初優勝を果たしました。


出典:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220905/k10013803381000.html

このことについても、
同インタビューで
「100年、開かなかった扉が開いた」
と表現した須江監督。

言葉のセンスが非常にある方だと
感じました。

さらに、高校入学時から
新型コロナウイルス感染症に翻弄されてきた
生徒たちへの言葉を問われ、
監督は涙ながらにこう答えました。

「僕たち大人が過ごしてきた高校生活とは
全く違うんです。
青春って、すごく密なので。

でもそういうことは全部ダメだ、
ダメだと言われて。活動してても、
どこかでストップがかかって、
どこかでいつも止まってしまうような苦しい中で。

でも本当にあきらめないで
やってくれたこと、
でもそれをさせてくれたのは
僕たちだけじゃなくて、
全国の高校生のみんなが本当にやってくれて。

(中略)

本当に、
すべての高校生の努力のたまものが、
ただただ最後、
僕たちがここに立ったというだけなので、
ぜひ全国の高校生に拍手してもらえたらな
と思います」

https://bit.ly/3ecEmbq
朝日新聞デジタル“仙台育英監督
「青春って、すごく密なので」
優勝インタビュー全文”より引用 )

自校の生徒たちだけでなく
全国の高校球児を讃え、
さらにコロナ禍で活動を制限されてきた
全ての高校生にエールを送ったのです。

監督の言葉に聞き入っていた観客は
大きな拍手を送りました。

「青春って、すごく密なので」

このキーフレーズは大勢の共感を呼び、
Twitterでも『#青春は密』
というハッシュタグで広まりました。

上に記しているとおり、
優勝インタビュー記事の
見出しにもなっています。

なぜ
こんなにも力をもつフレーズとなったのか。
その理由の一つは、
11文字という短さにあります。

拙著『NHK式+心理学
一分で一生の信頼を勝ち取る法』で、
「NHK式7つのルール」の2番目に
ご紹介しているのが、
「13文字以内でタイトルをつける」です。

テレビニュースでは、
アナウンサーがニュースを伝えている
画面の下部にタイトルが表示されていますよね。
それが多くの場合、
13文字以内となっています。

同じように、スピーチやプレゼンをする前に
自分が伝えたい内容を具体的かつ簡潔に示す
タイトルやキーフレーズを
つけることをお勧めしています。

詳しくは拙著を参考になさってください。

今回の須江監督は、
「青春は密」というキーフレーズで
自分の思いを伝え聞き手を引き込んでいく、
リーダーのお手本のようなインタビューでした。

このようにキーフレーズが明確だと、
そのメッセージは人から人へ
口コミで広がります。
メディアやSNSでの拡散もおこります。

聞いた人たちが
「確かにそうだ」
「よくぞ私の思いを代弁してくれた」
などど思える内容を、
キーフレーズにすること。

それができれば、
感動とともにリーダーの思いを届け
広げていくことができるのです。


★聞き手を引きつけ、信頼を勝ち取る
「NHK式話し方」。
その7つのルールを実践

https://bit.ly/3TOhH5C


2022年9月6日