正統派スピーチ コンサルティング

トレーニングの効果を高めるダメ出しのコツ

気象庁によると
東日本、九州南部は
すでに梅雨入りしたとみられるとのこと。

じめじめした梅雨の時期は、
心身ともに不調になりがちですね。

実は私も右肘の痛みが
1カ月ほど続いていました。
治る気配がないので、
先日ようやく病院に行ったところ、
「テニス肘」と診断されました。

「テニスはしてないのに…」と思っていたら、
「テニスをしない中年の
 使い過ぎによるテニス肘」
と診断され、資料をいただきました。

なんだかいろいろとひっかかる言い方…
(~ _~ ;)(笑)

ですが、その病院で
スピーチがより上達するトレーニング方法の
大きなヒントをいただきましたので
シェアしますね。

***********************************
間違った行動をした瞬間に指摘する
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「テニス肘」は通称で、
正式には「上腕骨外側上顆炎」
(じょうわんこつがいそくじょうかえん)
というのだそう。

上腕骨外側上顆炎の資料

どうやら出張のたびに
衣装や資料の入った
重いスーツケースを
右手でゴロゴロ引っ張りながら
移動していたのが原因のようです。

病院で治療が終わり帰ろうと、
スマートフォンと待合で読んでいた文庫本を
掴んで立ち上がった瞬間でした。

「その持ち方がだめ!!!」
女性看護師の鋭い声が飛んできたのです。

大きな声にびくっとして振り向くと、
治療をしてくれた看護師さんが
私の指を指さしていました。

彼女によると、
スマホや本などを掴むときの親指の角度が
テニス肘になる原因らしく、
その場で正しい指の角度を教えてくれました。

私としては
そのような指の使い方をしていた自覚が
全くなかったので、
それが痛みの原因と指摘されて
びっくりしました。

それから指の角度を意識するようになり
おかげさまで痛みも和らいできました。

それにしても看護師さんの
矢のように刺さる言い方の怖いこと(笑)

しかし、この看護師さんの言い方は
心理学の学習理論では
正しいトレーニング法なんです。
つまり、間違った行動をした瞬間に
すぐにその場で指摘して
自覚させるということです。

後から
「あのときのあの持ち方が
 肘を痛める原因ですよ」などと言われても、
無自覚でやっている持ち方ですから
なかなか治りません。

間違った行動をしたその瞬間に
「いまのそれ!」と
指摘されて修正するのが一番効果がある
と実験結果が多数報告されています。

実は、私もスピーチトレーニング中に
クライアントさんに言われたことがあります。

「スピーチをしている最中に
 『だめ!』『違う!』と
 矢野さんの声が飛んできてびくっとした」
看護師さんの件で
その気持ちがよく分かりました。

しかし、スピーチも同じで
「あのときのあのジャスチャーが
 話すときの悪い癖ですよ」
と後から言われても治らないのです。

スピーチがうまくなるには
その場で専門家に
ダメ出しをしてもらえる状態で
トレーニングすることが大事。

というわけで
『だめ!』『違う!』と指摘して
びくっとさせても
スピーチ上達のため、と
ご容赦くださいね(笑)


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2019年6月21日


相手を納得させる表現力を身につける方法

新年度が始まり、
私が研究室を構える大学にも
大勢の新入生が入学してきました。

その初々しい姿に、
こちらも気分が新たになります。

私が担当する講義の中の一つに
大学に入学したばかりの
1年生向けのキャリア科目があります。

その講義では冒頭にこう問いかけます。

「キャリアを日本語に言い換えたら?」

そこには、
学生たちに学んでほしい
ある狙いがあります。

***********************************
「納得解」を導き出す
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言葉の意味を自分の言葉で再定義する。
それがその狙いです。

すでに日本語として使われている英語や
日本語であっても意味が分かる簡単な言葉ほど
つい分かったような気分になって
安易に使ってしまいがちです。
しかし、それはとても危険なことです。

例えば、今回の「キャリア」という言葉。

辞書で引くと
「キャリア」=「経歴」
「専門的技能を要する職業についていること」
などと記載されています。

学問的には
「キャリア」=「人生」「生き方」「轍」
などと定義されています。

そのような「正解」はさておき、
自分は「キャリア」をどう定義するのか?

いま一度、単語に込められた意味を
自分なりの言葉で考えてほしい。
そういう意図から、
学生に問いかけをしているのです。

これまでに
学生からいろんな答えがあがりました。

「キャリア」=「自分の物語」
「キャリア」=「今までの、
        そしてこれからの俺」
「キャリア」=「可能性」

その理由を聞くと、
どれも「なるほど」と思うものばかり。
いわゆる「納得解」です。

本年度の講義でも、
秀逸な「納得解」に出会いました。

「キャリア」=「電子の穴」

これは工学部の学生の意見。
同じく工学部の学生からは、
「あ~」という賛同の声が上がった一方で、
根っからの文系人間の私は、
意味がわからずフリーズしてしまいました。

「キャリアとは電子の穴のようなものである」

この定義に込めた思いを、
その学生に解説してもらいました。

そして「深い!」
と思わず唸ってしまいました。
これまでの回答で、
私の中で3本の指に入るヒット作でした。

普段何気なく使っている言葉を
いったん自分の言葉で定義し直して
話してみる。

自分の考えた定義は
独りよがりでなく、周りを納得させる
「納得解」となっているのか。

こうしたとらえ直しを丁寧にしていくことで
言葉に対する感覚が磨かれ、
相手を納得させる表現力が高まるのです。

皆さんも自分が日々使っている言葉を見直し、
自分の言葉で再定義してみませんか?
正解ではなく納得解を導くことができたら
伝えた相手も必ず納得してくれるはずです。

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2019年4月16日