【前編】NG行為! これをやると、ますます緊張する! やってはいけないワースト5

「私、緊張するんですけど、どうすればいいですか?」

今回、全国3カ所をまわった出版講演会の質問コーナーで、
必ず聞かれるのが、
このような「緊張しない方法」です。

まず、一番大事なこと。
それは、

「緊張するのはいいこと」

ということです。

 

kinchou_man

 

NHKでアナウンスの仕事を始めて
4年目のことでした。

私が担当していた全国ニュースを見た、
現在、別の地域に転勤したかつての上司から
内線電話が鳴りました。

元上司: 「放送見たよ。ちょっと緊張してた?」

矢野:  「いいえ!緊張しているように見えました?
      全然緊張していなかったんですけど」

元上司: 「……君もそろそろ辞めどきかな……」

そう言って、電話は切れてしまいました。

私は上司の言った本意がわからず、
黙って受話器を握りしめたまま、
しばらく動けませんでした。

今思うと上司が言いたかったのは、
こういうことなのでしょう。

緊張感を持たずに画面に出るのは、
視聴者に失礼である。
適度な緊張感がない話し手が伝えるニュースは、
軽い内容として伝わってしまう。

上司は、私の緊張感が欠けていたことに気づいて
忠告してくれたのです。

適度な緊張感は、その話の聞き手、
その話をする場に対する
尊敬(リスペクト)の表れです。

相手に話をすることを大事に思っているからこそ、
緊張するのです。
もしも人前で話すときに緊張を感じたら、

「このスピーチを大切に思っているんだな、
いいこと、いいこと」

と思ってください。

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私たちアナウンサーは
緊張しないわけではないのです。
当然、緊張はします。

しかし、
緊張をコントロールする方法を知っているのです。

プロであるか否かの違いは、
緊張したまま話し続け大失敗に終わるのか、
緊張した自分をコントロールして立て直しながら話すのか、
の違いです。

では、どうやってコントロールするのか?
それは、緊張するような状態をやめるということです。

「これをやると、ますます緊張する!
やってはいけない行為ワースト5」
があります。

緊張しているときは、無意識に
この5つをやってしまっている可能性があります。

8月に出版した拙著第3弾、
『【NHK式+心理学】
一分で一生の信頼を勝ち取る法
――NHK式7つのルール』
では触れていませんが、
一つずつご紹介していきますね。

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【ワースト第5位】まったく緊張しない

緊張感をまったく持たないで
話す場に臨むことはおすすめできません。

このような姿勢では、
「なめた態度の失礼な人」という印象が、
話の内容よりも如実に伝わります。

「私はまったく緊張しないんですよ」
という人は、
それを自慢げに言うものです。

つまり緊張を悪いもの、ととらえています。

元上司とのエピソードでお伝えした通り
緊張することはいいこと、
相手に対するリスペクトです。

また、「緊張してもいいんだ」という思いは、
過剰な緊張感を解いてくれます。

緊張を悪者にせず、
真剣に話を聞いてもらうための演出や、
話を伝えるためのよきパートナーだと思って、
上手につきあっていきましょう。

 

【ワースト第4位】準備不足

やはり準備不足は、不安感をあおり、
結果として緊張してしまいます。

「徹夜でプレゼン資料をつくっていて、
資料はできたが、話す原稿は覚えていない」

「ちょっとひと言挨拶を、と急に振られた」

そんな状況では、緊張するのは当たり前です。
「ここまで準備をしたから大丈夫」
と自分が納得するまで、しっかり準備をして臨みましょう。

 

…とは言ったものの、
「突然話を振られるときは、準備のしようがない」
と思うかもしれません。

そこで活用したいのが、拙著新刊の特別付録。
「『NHK式+心理学』の集大成!
これだけ埋めれば簡単
&最強1分自己紹介フォーマット」

このシートに書き込むことこそ、
「事前準備」です。

話の原材料をあらかじめつくっておいて、
話す長さや場面によって、アレンジしてください。

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先日ある経営者が話してくれました。

このシートを切り取り、
財布に入れていたそうで、
ある集まりにいくタクシーの中で
シートを考えてから臨んだそうです。

その集まりでは、案の定、
「ちょっとひと言お願いします」
と挨拶を求められました。

そこで、この自己紹介シートにもとづいて、
「PREP・LP法」(拙著参照)で話したところ、
いつもと聞き手の目が違った、
食いついてきた、というのです。

この日は4人くらい挨拶をしたそうですが、
この社長のスピーチの後の拍手が一番大きかったと、
うれしそうに報告してくれました。

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事前の準備は、
何時間もかける必要はありません。

この社長のように、移動時間の車内での数分でも、
きちんとした効果的な準備であれば、立派な準備です。
ぜひこの「1分間自己紹介シート」をこ活用ください。

そして、やはり
「プレゼンの通し稽古が間に合わなかった~」という場合は、
フィジカル面から緊張をコントロールして臨みましょう。

次回、ワースト第1位と2位をご紹介します!
何気なくやってしまいがちな姿勢が
緊張を招いているのです。
ぜひお読みくださいね。