選挙中の「騒音」を「スピーチ教材」に変える3つの視点

第24回参議院議員通常選挙が
先月20日に公示されました。
今月10日の投開票日に向け、
各政党・各候補者が選挙戦を繰り広げています。

18歳選挙権が適用される
最初の国政選挙という点でも
注目を集めています。

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選挙カーは候補者の名前を連呼し
候補者は街頭演説を行っています。

こうした声を張り上げての選挙活動は
午前8時から午後8時の間と定められていますが、
連日ということもあり「騒音」と感じる方も
いらっしゃるかもしれません。

一見「騒音」に感じる選挙活動ですが、
聞く側の意識を変えれば
「スピーチ教材」として役に立ちます。

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各政党・各候補者には
表現のプロがついていることを
想像したことがありますか?

以前、メンタリストDaiGoさんと
選挙についてお話をする機会がありました。

DaiGoさんといえばメンタリズムの第一人者。

テレビなど各メディアにて
人の心を読み、操る「読心術」を中心に
メンタリズムを紹介されています。

しかし、メンタリズムの技術は
エンターテインメントだけでなく、
ビジネスにおいても有効なのだそうです。

DaiGoさんは外資系企業の研修や
コンサルなども手掛けてるほか、
近年、選挙戦のスピーチ原稿を依頼されるそうです。
私達は、その話題で盛り上がりました。

DaiGoさんによりますと、
ドイツのアドルフ・ヒトラーには
エリック・ヤン・ハヌッセンという
メンタリストがついていたそうです。

ウィキペディアによりますと、
「Yes,We Can.」のキャッチフレーズが
印象的なオバマ米国大統領には、ジョン・ファヴロー、

安倍晋三首相には谷口智彦内閣審議官、

というように、為政者のそばには
スピーチライターが存在します。

より多くの人の心を動かすには、
政策や人間的魅力が不可欠なのは当然のこと、
スピーチも戦略の一つとして専任の担当者がいるのです。

スピーチコンサルタントの私も、
主な仕事の一つとして、選挙戦のお手伝いをしています。

DaiGoさんと話をするなかで
共通の見解に気が付きました。

「選挙のスピーチは、
結果が数字で明確に出るので面白い」
ということです。

選挙に向けてのコンサルティングの前には、
私は6月の株主総会における経営者のスピーチの
サポートを行っていました。

この種のスピーチでは、
聞き手である社員や株主の表情や、拍手の大きさといった
ダイレクトな反応で、自分の思いが伝わったという
手ごたえを感じます。

しかしながら、これらの手ごたえが
ビジネスの利益につながったかどうか、
数字的な因果関係が実感しにくいのも事実です。

一方、選挙戦においては
スピーチをブラッシュアップした結果や成果が、
投開票日の当落判定とともに票数として明らかになります。

ダイレクトに数字で表れるということは、
選挙結果はスピーチコンサルタント達にとっての
通信簿ともいえます。

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すなわち、ついつい「騒音」と感じるかもしれない
選挙期間中の広報活動の陰には
スピーチのプロの本気の仕事が存在しているのです。

ぜひ、そういう視点で次の3点を意識して
候補者の声に耳を傾けてみてください。
「騒音」を「スピーチ教材」にかえて学ぶことができます。

senkyo

【1. 候補者名の名乗り方】

本人もしくはウグイス嬢が、
候補者名をどう言っているかに注目です。
「姓」の後に間を置き、「名」を名乗ると、
落ち着いた風格を感じさせる効果があります。

【2. 第0印象と第一印象】

ポスターと実際の人物を、
同一人物としてすぐ一致させることができますか。
政策、ポスター、本人のジェスチャー・表情・話し方などから
受ける印象に一貫性がありますか。

【3. 「PREP・LP法」で話しているか】

私がお勧めしている自己紹介の組み立て「PREP・LP法」で、
スピーチ内容を分析してみてください。

スピーチ後半に、「LP」、
L=Let’s=誘い「~しましょう」
P=Passion=情熱
があるはずです。

この部分が欠けていると、

候補者が有権者を演説で
引き込むことはできません。

自分を客観的に分析するのは難しくても、
他人のことは気がつきやすいものです。
スピーチコンサルタントになったつもりで
候補者の演説を評価してみてください。
ご自身のスピーチのスキルも向上にも、

つながっていきますよ。

本気の思い、
心からの表現、
全身から伝わる迫力。

第24回参議院議員通常選挙の選挙期間も残り数日となりましたが、
スピーチの視点からも各候補者の広報活動にご注目ください。