安倍首相の会見が伝わるようになった理由

5月21日、
新型コロナウイルス対策の
特別措置法に基づく緊急事態宣言が、
大阪、京都、兵庫の関西2府1県でも
解除されました。

そのことを伝える安倍総理大臣の会見を
各放送局では中継し伝えていました。
あなたはご覧になりましたか?
どういう感想をもちましたか?

私は失礼ながら、
「緊急事態宣言が出されたときの会見と比べて
 とても伝わるようになった」と感じました。
ご覧になっていない方はぜひ見てみてください。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200521/k10012439531000.html
(NHK NEWS WEBより)

安倍首相の会見が伝わるようになったのは、
今月14日からです。
新型コロナウイルス対策の特措法に基づく
緊急事態宣言が、
39県で解除されたときの会見です。

「さっきの安倍首相の会見は
 伝わりましたね!」

「矢野さんがセミナーで言っていた
 ダメだしが今日は直っていました。
 参加していた議員の誰かが伝えたんですか?」

この会見が開かれたあと、
5月5日に弊社で開催した
オンラインセミナーに参加した方々から
私に沢山のコメントが届きました。

この日の会見では、
確かに、首相はこれまでの記者会見とは違う
スピーチスキルを使っておられました。

5日に開催した
「有事の際のリーダーのスピーチ」という
テーマのセミナーで指摘したポイントが、
14日の会見では改善されていたのです。

それは何か?
それは冒頭の目線です。

内容はともかく伝え方の点で
いままでの首相の会見で
決定的に欠けていたのも目線なのです。

聞き手と「目線を合わせる」こと。

安倍首相の会見、聞き手である私たちと
目が合わないんですね。

大事なシーン。例えば
「緊急事態宣言を発出することといたします」
と言っている瞬間も目が合わないんです。

下記は4月7日、
東京、神奈川、千葉、埼玉、大阪、兵庫、福岡
7都府県に緊急事態宣言が出されたときの
会見の様子です。
自分と目が合うかなという点に注目しながら
ご覧ください。

https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/statement/2020/0407kaiken.html
(首相官邸ホームページより)

この宣言を言うシーン、
ニュースなどでも繰り返し報道される
いわばハイライトシーンなんです。
それなのに目が合わない。

だから自分に語りかけられている
気がしないということです。

安倍首相の目線の配り方は
違うシーンなら正解です。

このときの安倍首相のやり方は、
リアルで目の前に大勢の人たちがいるときの
アイコンタクト、目線の配り方なのです。

しかし、
オンラインではこの目線では駄目なんです。

これでは
目の前にいる報道陣に伝えているだけで、
国民の私たちに言っている気がしないのです。
残念ながら、この会見中の全てで
目線デリバリーの選択を誤っておられました。

しかし、5月14日に緊急事態宣言が
39県で解除された際の会見、
そして昨日の会見では違いました。

https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/statement/2020/0514kaiken.html
(首相官邸ホームページより)

「本日、関東の1都3県、関西の2府1県、
 そして北海道を除く39県について、
 緊急事態宣言を解除することといたしました」
という冒頭から、
カメラカットサイズが違いました。

この目線なら自分に語っている
という気がしますよね。

私たち国民に伝えるためには、
どのような伝え方が良いのか。
関係者の皆様が日々、
工夫してくださっている成果ですね。
ありがたいことです。

いま、
世界中で感染が広まる「新型コロナウイルス」
に関連して各国のリーダーがメッセージを
発信しています。

そこには私たちが日常生活で
リーダーシップを発揮すべき場面で使える
スキルもたくさん含まれているのです。
ぜひ参考になさってくださいね。

 

★コロナ禍の今だからこそ
世界のトップレベルのリーダーの
伝え方のエッセンスを手に入れて
有事をチャンスに変えましょう。

https://bit.ly/2AV5kAX

2020年5月23日


スピーチを成功に導く「YOUの視点」

前回のブログで
トヨタ自動車の春の労使協議会での
豊田章男代表取締役社長の発言を引用し、
スピーチやプレゼンの目的は
「聞き手の行動変容」だということを
お伝えしました。


今回も引き続き、
スピーチスキルを向上させるヒントとして
豊田氏の言葉をご紹介します。

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「YOU」を主語にする
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先週と同じ
トヨタの春の労使協議会の動画より、
24分ごろの豊田氏を抜粋します。
https://bit.ly/3bsFXUc

= = = =(ここから)

私が感じていることがあります。
それは、事技職の皆さんが、
私と話をする時の主語は、
ほとんどが「I」だということです。
(中略)
トヨタの人たちは、「I」を主語にして、
自分のことだけ話していても
仕事は進んでいくというのが
実態ではないでしょうか。
(中略)
トヨタの事技職の人たちは、
どれだけ先方の会社に出向き、
相手の会社のことを勉強し、
相手のことを知ろうとしているでしょうか。

どれだけ「YOU」を主語にした
会話をしているでしょうか。

「YOU」を主語にして話すと
初めて気がつくことがあります。
(中略)
「YOU」を主語にするということは、
自分以外の人に関心を持つということです。
そして、それは、世の中の動きに関心を持つ
ということでもあります。

= = = =(ここまで)

「YOU」を主語にする。

豊田氏は、職場でのコミュニケーションのあり方
について述べていらっしゃいますが、
大勢を前にするスピーチやプレゼンでも
同様のことが言えます。

拙著『NHK式+心理学
一分で一生の信頼を勝ち取る法』
で、「I→YOU→WE法」というスキルを
紹介しています。

これは、話をI(私)から始め、
YOU(あなた)、そしてWE(私たち)へと
徐々に広げていくことで、
聞き手を巻き込んでいく方法です。

一方的に自説を展開していては、
話し手は満足かもしれませんが、
聞き手は置いてきぼりになってしまいます。

「言ってることはわかるけど」と、
モヤモヤした気持ちのまま
会場を後にすることになるかもしれません。

スピーチやプレゼンでも大事なのは
相手に関心を持つこと。
「I→YOU→WE法」を用いて
「あなたはどうですか?」と問いかければ、
聞き手との距離を近づけることができます。

その結果、
話し手の言葉が聞き手にダイレクトに伝わり、
前のメールで述べた
「聞き手の行動変容」につながるのです。

「I→YOU→WE法」は特に
聞き手がこれから話す内容に
興味がなさそうなときに効果的な方法です。
ぜひお試しください。


★オンライン化されるということは
あなたの話し方が保存され、
その場でのごまかしが
利かなくなることでもあります。
信頼される「NHK式」話し方の基本を
押さえておきましょう。
https://bit.ly/3dDTbPD

 

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あとがき
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新型コロナウイルス感染症の拡大防止のために
各国の首相・大統領・国王などのリーダーが
国民に向けてメッセージを発信しています。

スピーチの観点からも注目していますが
ドイツのメルケル首相のスピーチが
共感する・聞き手への行動を促す
という点で素晴らしいと感じました。

動画はこちら↓
https://bit.ly/3duPxYe

全文はこちら↓
https://bit.ly/33SuY3F
日本語訳は公式ページがないため、
ご興味ある方は検索してみてください。


2020年3月31日