表現・印象にまつわるアレコレ

相手を納得させる表現力を身につける方法

新年度が始まり、
私が研究室を構える大学にも
大勢の新入生が入学してきました。

その初々しい姿に、
こちらも気分が新たになります。

私が担当する講義の中の一つに
大学に入学したばかりの
1年生向けのキャリア科目があります。

その講義では冒頭にこう問いかけます。

「キャリアを日本語に言い換えたら?」

そこには、
学生たちに学んでほしい
ある狙いがあります。

***********************************
「納得解」を導き出す
***********************************

言葉の意味を自分の言葉で再定義する。
それがその狙いです。

すでに日本語として使われている英語や
日本語であっても意味が分かる簡単な言葉ほど
つい分かったような気分になって
安易に使ってしまいがちです。
しかし、それはとても危険なことです。

例えば、今回の「キャリア」という言葉。

辞書で引くと
「キャリア」=「経歴」
「専門的技能を要する職業についていること」
などと記載されています。

学問的には
「キャリア」=「人生」「生き方」「轍」
などと定義されています。

そのような「正解」はさておき、
自分は「キャリア」をどう定義するのか?

いま一度、単語に込められた意味を
自分なりの言葉で考えてほしい。
そういう意図から、
学生に問いかけをしているのです。

これまでに
学生からいろんな答えがあがりました。

「キャリア」=「自分の物語」
「キャリア」=「今までの、
        そしてこれからの俺」
「キャリア」=「可能性」

その理由を聞くと、
どれも「なるほど」と思うものばかり。
いわゆる「納得解」です。

本年度の講義でも、
秀逸な「納得解」に出会いました。

「キャリア」=「電子の穴」

これは工学部の学生の意見。
同じく工学部の学生からは、
「あ~」という賛同の声が上がった一方で、
根っからの文系人間の私は、
意味がわからずフリーズしてしまいました。

「キャリアとは電子の穴のようなものである」

この定義に込めた思いを、
その学生に解説してもらいました。

そして「深い!」
と思わず唸ってしまいました。
これまでの回答で、
私の中で3本の指に入るヒット作でした。

普段何気なく使っている言葉を
いったん自分の言葉で定義し直して
話してみる。

自分の考えた定義は
独りよがりでなく、周りを納得させる
「納得解」となっているのか。

こうしたとらえ直しを丁寧にしていくことで
言葉に対する感覚が磨かれ、
相手を納得させる表現力が高まるのです。

皆さんも自分が日々使っている言葉を見直し、
自分の言葉で再定義してみませんか?
正解ではなく納得解を導くことができたら
伝えた相手も必ず納得してくれるはずです。

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2019年4月16日




【後編】異動期のスピーチのコツ

新年度がスタートし、
新元号も発表されましたね。

今回は、前回に引き続き、
異動期のあいさつのコツについて
お伝えします。

*************************************
スピーチで望むキャリア引き寄せる
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前回、ビジネスシーンにおいて
スピーチやあいさつをするときは、
まず目的を明確にすること重要であり、
『PREP法』を使った話し方が
有効であるとお伝えしました。

では、
異動期のあいさつやスピーチの目的は
なんでしょう。

一つは
「コミュニケーションを円滑にしたい」
という目的が考えられます。
こちらについては前回お伝えしました。

さらに、職場におけるあいさつやスピーチには
もう一つの目的があります。

それは、
自分の望むキャリアを引き寄せることです。

異動は自分の今後のキャリアを考える好機。
自分が今後どのような仕事をしたいか考え、
それをスピーチに織り交ぜるのです。

たとえば
希望とは違った部門に
異動することになったのであれば、
「志半ばでありますが」と話してみる。

海外赴任を目標にしているなら、
自己紹介のときに言ってみる。

PREP法を使って自己紹介をすると、
以下のようになります。

1.Point(結論)
 私のことを「〇〇」と呼んでください。
(単なるあだ名ではなくキャッチフレーズを)

2.Reason(理由)
 なぜなら、
 私は○○を大事にしているからです。

3.Example(事例)
 たとえば新人の頃
 こんなこと(やり遂げたことなど具体的に)
 がありました。
 この経験をしたことで、
 いずれ海外赴任をしたい
 と考えるようになりました。

4.Point(結論の再確認)
 その目標を叶えるためにも
 与えられた仕事は精一杯頑張ります。
 ○○と覚えてください。

自分の思いを伝えることで、
次のチャンスにつながる可能性もあります。

職場におけるスピーチやあいさつの重要性を
理解し、適切な方法で実践することが、
自分の望むキャリアを手に入れる
近道なのです。

なお、先月14日に紙面で掲載された記事が
日本経済新聞電子版にも掲載されました。
こちらもぜひご覧ください。
https://bit.ly/2Iez9Oy

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2019年4月8日