表現・印象にまつわるアレコレ

エリザベス女王「スピーチの力」おすすめのテレビ番組

今年はじめから新型コロナウイルスの感染が
全世界に広がる中、
各国のトップリーダーが国民に対して
メッセージを発信してきました。

とりわけ反響を呼んだ一人が
英国のエリザベス女王。
そのエリザベス女王のスピーチに注目した
テレビ番組が7月、NHKで放送されました。

BSプレミアムで毎週火曜午後9時から放送の
『アナザーストーリーズ 運命の分岐点』
 エリザベス女王 希望のスピーチ
ご覧になりましたか?

実際の女王スピーチの音声資料も使った
とても興味深い内容でした。
(今頃ご紹介する理由は、
 私もやっと先日の夏休み期間中に
 拝聴できたからです…(-_-;)
 遅くなりごめんなさい…)

リーダーにふさわしいスピーチをしたい方に
おすすめの番組です。

今日はこの中から、
ピンチを打開する
「スピーチの力」についてお伝えします。

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エリザベス女王にみる「スピーチの力
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世界最高齢の君主であり、
英国史上最長在位のエリザベス女王。

同番組では、
彼女がこれまで行ったスピーチの中から
3つのスピーチに焦点をあてています。

第二次世界大戦中のラジオスピーチと
ダイアナ元妃への弔意を示したスピーチ
コロナ禍におけるスピーチの3つです。

初めてのスピーチは、
エリザベス女王が14歳のとき。
第二次世界大戦中、
疎開で親と離れ離れになり
不安に思う子どもたちに向けて
語りかけました。

父であるジョージ6世が、
英国がドイツ軍の攻撃にさらされる状況下
「スピーチの力」で国をまとめる姿に
尊敬の念を抱き、
自らもスピーチに挑戦したそうです。

この初スピーチは、
これからの英国を担う若い世代を
大いに鼓舞しました。

2つ目は、
ダイアナ元妃の死去後、王室の対応への
国民の批判が高まったときに行われた
スピーチです。

女王は、
「元妃死去に何の反応も示さず冷淡だ」
という国民の批判を
「スピーチの力」で乗り越えました。

ダイアナ元妃への弔意と
彼女の死を悼む国民によりそう姿勢を示し、
国民の信頼を取り戻したのです。

そして最後に取り上げたのが
今年4月、
新型コロナウイルスの感染拡大が止まらず、
街がロックダウンされるという非常事態下で
行われたスピーチ。

こちらの英国王室の公式チャンネルで
ご覧になれます。

「We will be with our friends again.
 We will be with our families again.
 We will meet again.」

「また会える」
という女王の力強いメッセージは、
英国だけでなく世界中に配信されました。

番組ではこのスピーチを聞いた人が登場し
「気持ちが奮い立った」
「勇気づけられた」などと語っています。

女王のスピーチは
目に見えない新型コロナウイルスという
敵に対して
国民の団結を促す役割を果たしました。
まさに「スピーチの力」ですね。

見逃したという方は、
こちらのNHKオンデマンドで
1番組から視聴できます。
ぜひご覧になってください。
https://bit.ly/2QCYQve

このエリザベス女王のスピーチに関しては、
私が5月にオンラインで開催したセミナー
『有事をチャンスに変える
 リーダーズスピーチ』でも、
その上手さと
私たちも取り入れて真似出来るスキルを
お伝えしました。

実は、
セミナー開催後に分かった後日談もあります。

それはこのスピーチの印象的な締め言葉
“We will meet again”
同タイトルの曲(We’ll Meet Again)を
歌った歌手のヴェラ・リンが
6月に103歳で亡くなっていたということ。

出典:https://www.amazon.co.jp/


もしかしたら
「We will meet again」という言葉は、
国民に新型コロナウイルスとの闘いへの
団結を呼びかけるだけでなく、
103歳という高齢だった彼女に対して
女王からの私信の意味も
含まれていたのかもしれません。

そんな想像を膨ませると、
女王の人間性に親近感を持つのは
私だけではないでしょう。

トップリーダーとしての威厳を保ちながら、
さりげなく自分の私的な思いを入れることで
聞き手の共感を呼ぶ。
これも「スピーチの力」ですね。
ぜひ取り入れてみてください。


★エリザベス女王をはじめ
 世界のトップレベルのリーダーの
 スピーチを矢野が分析

コロナ禍の世界のリーダーの伝え方を学ぶ
『有事をチャンスに変える
 リーダーズスピーチ』
https://bit.ly/3gL0qpm

 

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あとがき
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講演など来年の予定が入りはじめたため、
2021年の手帳を買いました。

去年の今頃は、
まさか2020年が
今のような世界になっているとは
想像もしていませんでした。
来年はどんな世界になっているんでしょう?

日本の首相の辞任会見や、
米国の大統領選のスピーチを聞きながら、
来年に思いをめぐらせています。

 

★心理学に基づくアカデミックな
 話し方のスキルを学びましょう。
 繰り返し見ることで、学びが定着します。

『「人を動かす話し方」を身につけるための
 教材専門オンラインSHOP』
https://bit.ly/3jGOYgt


2020年9月2日


都知事選「敗戦の弁」に学ぶ応援者を増やす一言

7月5日に行われた東京都知事選の投開票。
現職の小池百合子氏が、
都知事選史上2番目に多い
およそ366万票を獲得し、
圧勝という結果となりました。

小池百合子氏
出典:日本経済新聞 https://www.nikkei.com/article/DGXMZO61184400W0A700C2CE0000/

選挙管理委員会から
最終の開票結果が発表される前であっても、
当選確実と報道されると行われるのが、
各候補者の記者会見です。

私も放送局に勤務していたときは
選挙特番のスタジオから開票速報を
キャスターとして伝えるだけでなく、
候補者の事務所から開票を見守る陣営の様子を
リポーターとして伝えることもありました。

事務所内に置かれたテレビの画面を
一斉に見つめる張りつめた空気。

自分が担当している候補者が
「万歳」をするのか、
あるいは「敗戦の弁」を語るのか。
それによってインタビューのしやすさが
まったく異なります。

当時から感じていたことですが、
候補者のスピーチスキルをみるときに
選挙期間中の「お願い」演説よりも、
この投票結果を受けての記者会見の方が
私たちが日常会話で真似できるスキルが
沢山あります。

とくに「敗戦の弁」。
人間性がにじみ出るからでしょうか。
人の心を動かす伝え方が多く見られます。

今回は、
小池氏に敗れた各陣営の記者会見のなかから、
うまいなと感じたスピーチスキルを
シェアいたします。

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独り言で共感をさそう
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今回の都知事選は、
午後8時に投票が締め切られました。
同じく午後8時に選挙特番が始まったNHKは
わずか4秒後に「当選確実」を出しました。

早々に小池氏の再選が確実となった
あとの記者会見で、
小池氏に次ぐ2位の得票数だった
元日本弁護士連合会会長の
宇都宮健児氏は、
「多くの都民の期待に応えたかったが
 大変残念です」と述べました。

出典:時事通信 https://www.jiji.com/jc/article?k=2020070500374&g=pol

同じく4位の元熊本県副知事の小野泰輔氏は、
「何の悔いもありません。
 負けはしたがすがすがしい気持ち」
と選挙戦を振り返りました。

出典:時事通信 https://www.jiji.com/jc/article?k=2020070500380&g=pol

どちらも
「大変残念」「何の悔いもない」という
候補者個人の気持ちをシンプルに表した
わかりやすい一言です。

なかでも秀逸だったのは、
3位の得票数だった
「れいわ新選組」代表の山本太郎氏。

彼は会見の冒頭でこう言いました。

「いやあ、強かった、百合子山。
 高かった、百合子山。」

実際の様子は
こちらの動画で見ることができます。
21分30秒ごろです。

(「れいわ新選組」公式チャンネル)

この一言は、
拙著『NHK +心理学 
一分で一生の信頼を勝ち取る法』で
紹介した「NHK式7つのルール」の一つ、
「独り言から入る」です。

NHK +心理学 
一分で一生の信頼を勝ち取る法

この「独り言から入る」ルールについて
「どういうときに使ってよいのか、
 イメージがわかない」
という質問をいただくことがあります。
この山本氏の会見が好例です。

「独り言から入る」とは、
話の入りの一言を聞き手が共感してくれそうな
独り言から始めることで
相手の興味と共感を引きだすテクニックです。

山本氏の冒頭の言葉は
小池氏が有利と言われた中での選挙戦の
厳しさを端的に表しつつ、
選挙後も山本氏を応援しようと思わせる
共感を与えます。

さらに、冒頭ということで
インパクトが大きいのも特徴です。
定型文が来るかと思わせておいての
意外性により記憶に残ります。

実際、各新聞社は
この山本氏の「独り言」を引用した
見出しをつけています。

日本経済新聞
『「百合子山強かった」
 山本氏、都知事選で悔しさ吐露』
https://s.nikkei.com/2VS7sBa

朝日新聞
『落選の山本太郎氏「高かった百合子山」
 旋風起こせず』
https://bit.ly/2O0IWcD

毎日新聞
『「百合子山は高かった」落選の山本氏、
 完敗認めるも小池氏にチクリ』
https://bit.ly/3gyLXgG

読売新聞
『山本太郎さん
 「高かった百合子山…かなり険しい山」』
https://bit.ly/2Cdx6sU
など。

このように、「独り言」は
「こう言っていたよ」と人から人に伝わり、
噂になりやすいという特徴もあります。

選挙結果や施策の是非はさておき、
聞き手を引きつけるスピーチという点では
山本氏は圧勝だった、
と個人的には感じています。

あなたも
「いまのご感想は?」「なにか一言」と
言われたときには、
実感がこもった独り言から入ると、
聞き手の印象に残りやすくなります。

定型文から入るのではなく、
どんな独り言から入るか。
そこにあなたの個性を表現することができ
応援者がグッと増えますよ。


★私自身が「独り言から入る」を
実践した講演が収録されています。
聞き手を引きつけ、信頼を勝ち取る
「NHK式話し方」。その7つのルールを実践
https://bit.ly/3iHy3dT

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あとがき
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先週、石川県と富山県で
経営者や企業のリーダー層に
講演する機会をいただきました。
私にとって新型コロナ感染拡大後初となる
対面でのリアル講演でした。

会場に入れるのは20名限定。
それ以外の方々は、後日
その講演会の収録を視聴するスタイルです。

会場では、かつての小学校のように
受講者は1人ずつ机を離して座り、
グループワークは無し。

希望者にはフェイスシールドを配布という
主催者の方も感染防止策を
模索しながらの開催でした。

私も今回のために新しく作成した
プログラムを試してみました。

グループワークは無いものの、
代わりに1人ずつのワークをとりいれ、
全体として相互に学びを深められる内容、
かつ、後日動画を見る方も
同じく学びが深まるような内容です。

参加者からのアンケート結果を拝見すると、

「信頼を得る話し方があるという事を
 初めて学ぶ事ができました。
 意識的に行動していきます」

「話すときに意識することが変わりました」

などの感想をいただいています。
おかげさまで学びの多い講座となったようで
ホッとしています。

「withコロナ」の生活様式が模索される
これからの時代、
講演や研修のあり方も変わりますね。

さらによりよいプログラムを
開発してまいります!

★コロナ禍の今だからこそ
世界のトップレベルのリーダーの
伝え方のエッセンスを手に入れて
有事をチャンスに変えましょう。
https://bit.ly/2Zbphgr

2020年7月9日