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「モノマネ」と「スピーチ」の関係

「それは、ただの『モノマネスピーチ』。
安易な『モノマネ』はNGです!」

これは、拙著『マンガでわかる!
その話し方では軽すぎます!』の主人公である
スピーチコンサルタントの矢吹サオリが、
第2章に登場する営業担当に対して
言い放った言葉です。

その営業担当は、
成功している人たちのYouTubeでの話し方を
そのまま真似をした結果、
取引先の信頼を失ってしまったのでした。

モノマネ芸は人を笑わせるのが目的ですが、
形だけを真似すると、
かえって信頼を失うことになるのです。

ですから、話したい内容や
聞き手に与えたい印象に合っていない
「モノマネスピーチ」はしないように、
とお伝えしています。

そんな私が
モノマネをする、あるお笑い芸人の方が
パーソナリティを務めるラジオ番組に
出演することになりました。

事前に拙著を読んでくださったというその方は、

「安易なモノマネをして営業先で軽い話し方に
なってしまった営業マンに
『あなたはまさにモノマネ芸人!』と
諫めているけれど、
実際にモノマネ芸もやってきた
本当の芸人の私はどうなってしまうのか?…と
収録を始める前はドキドキでした」

と後日談でコメントしています。

モノマネ芸人と矢野の対決は
はたしてどうなったのでしょうか?

 

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ヒラリー・クリントン氏も
実践しているスキルとは
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ラジオ番組のパーソナリティを
務めているあるお笑い芸人の方とは、
石井てる美さん。

出典:https://www.watanabepro.co.jp/mypage/40000073/

東京大学工学部を卒業、
マッキンゼー・アンド・カンパニーに
就職したのちにお笑い芸人に
転身したという異色の経歴の持ち主です。

石井さんと言えば、
ヒラリー・クリントン氏のモノマネ。

私も初めて拝見したときは、
あまりにヒラリー・クリントン氏の
特徴をとらえているので
大笑いしつつも、感動しました。

まずは石井さんのこちらの動画をご覧ください。
「ヒラリー・クリントン ショートネタ集」

いかがですか?

特に注目は冒頭の
「5歩あるく間に7人の知り合いを見つける
ヒラリー・クリントン」
というネタ。

アメリカ大統領選のスピーチでの
クリントン氏の登壇シーンをもとにしたもの。
よくぞこのシーンを
モノマネのネタにピックアップしたなと
感激しました。

人前に登場するときに与える
印象はとても重要です。

聴衆が話し手に一番注目しているのは、
話し手が登場するときだからです。
大勢の視線を一身に浴びながら
ステージに出ていくのは誰だって
緊張しますよね。

そんなときの秘策の一つが、
先に聴衆を見ておくこと。
事前にどこに誰が座っているか、
集まっている人たちについて
情報を入れておくのです。

いよいよ登場する段階になり、
自分の姿が相手に見えたところで
しっかりとアイコンタクトをとります。

そして、正面でお辞儀をする前にも
アイコンタクトをとります。

こうすると、話し始める前に
2~3度相手を見ることになり、
演台の前に立った時に見える風景が
初めてのものになりません。

しかも、聴衆からは
「しっかりとこちらを見てくれる
落ち着いた人」
と思われるのです。

この方法は
「話す前に成功をとりつける7つの秘策」として
拙著『NHK式+心理学
一分で一生の信頼を勝ち取る法』では
イラスト付きでご紹介しました。

この「7つの秘策」のなかでお伝えしている
「先に見る」というスキルを、
クリントン氏は演台まで歩いていく間に
聴衆としっかりとアイコンタクトをとるという
方法で取り入れているのです。

石井さんはその特徴を見事に抽出して
笑いに変えています。

さて、そんな石井さんの番組は株式会社リクルートスタッフィングさんの「らしさラジオ」。

今回のテーマは、
「感じのいい話し方、
どう身につければいい?」

そもそもどういうときに人は
「あの人は感じがいい」と思うのでしょう。
あなたは考えたことがありますか?

番組では、心理学からみた
「この人は感じがいい」と印象を持たれる
話し方やその身に付け方、

そして、
話すのが苦手という人でもできる
感じがいいと思われる話のきき方
などについて話をしました。

詳細は
ぜひ「らしさラジオ」でおききください。

https://bit.ly/3kOb7N6

公開日程は以下のとおりです。
・前編は10月19日(火)
・後編は10月26日(火)


★世界のトップリーダーのスピーチを分析。
「モノマネ」から脱して、人を動かす
スピーチスキルを手に入れましょう

『有事をチャンスに変える
 リーダーズスピーチ』

https://bit.ly/3lssPpL

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あとがき
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プレジデント社の動画プラットフォーム
「PRESIDENT経営者カレッジ」より、
動画が発売開始となりました。

「リーダーのための正統派スピーチ術
~心理学に基づく理論と実践~」

https://presidentinc.socialcast.jp/

ビジネスパーソンが日々困っている
話し方の悩みを克服する方法について
わかりやすくお伝えしています。

■第1部 日本一わかりやすいスピーチ教室

■第2部 劇的に変わる改造レッスン

■第3部 飛躍的に伸びるレベルアップレッスン

■第4部 リモート会議で成果をあげる

以上、4部合わせて約120分の動画で、
どなたでも身につけられる
実践的な技術を具体的にお教えします。

職場でのコミュニケーションに、
重要なスピーチやプレゼンに、
ぜひご活用ください。

 

2021年10月18日


志の輔師匠曰く話し方のコツは〇〇をつかむこと

先日、文化放送のラジオ番組
『志の輔ラジオ 落語DEデート』に
出演させていただきました。

出典: http://www.joqr.co.jp/blog/rakugo/

毎週日曜日の午前7時から放送されている
立川志の輔師匠とゲストによるトークや
過去の落語名演も楽しめる番組です。
http://www.joqr.co.jp/blog/rakugo/

今回は、
かねてより師匠に伺ってみたかった
スピーチと落語の共通点や、間(ま)について
お話を伺うことができました。

番組を聴き逃したという方のために、
内容を一部シェアさせていただきます。

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「空間」をつかむ
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スピーチトレーニングでは、
クライアントの方に
「ぜひ新作落語聞いてください」と
お勧めすることがあります。

新作落語とは、おもに大正時代以降に
落語家や落語作家により作られたもの。

スピーチにとって、
聞き手を動かすための
重要なスキルの一つである「間」。
しかし、
説明しづらい難しいスキルでもあります。

おもに江戸時代を舞台とする
古典落語も味わい深いものがありますが、
現代語の新作落語は
「間(ま)」のお手本として最適なのです。

番組の中で志の輔師匠に、
スピーチトレーニングで落語を聴くことを
お勧めしていることをお伝えすると、
師匠はこうおっしゃいました。

「言葉に自信を持てたら、
 その『空間』をつかめるような気がする。
 結局、大事なことは
 『空間』なんだと思うんですよね。

 『空間』をつかむための道具が、
 言葉ですからね。」

放送ではカットされていましたが、
収録では空間をつかむ達人として
結婚式の司会などで間合いのうまい方の例を
お話しくださいました。

そして、落語の公演で
笑わせようとしても
なかなか笑わないお客さんが、
落語家が思わず失敗したときに
笑うということがある。

だったらと、わざと失敗すると
そのあざとさは伝わりお客さんは笑わない。

これは
「空間」が一つになっているかどうか
だとおっしゃっていました。

つまり、
人に何かを伝えるために大切なのは、
聞き手と話し手が共有している
「空間」をつかむこと。

そして「空間」をつかむために、
間の取り方、非言語表現も含めて
話し方を磨くことが必要なのです。

現代の落語家を代表する志の輔師匠と
お話しさせていただく中で、
日本語の奥の深さ、
伝えることの難しさとおもしろさを
私自身も再認識することができました。
ありがとうございました。

出典: http://www.joqr.co.jp/blog/rakugo/

後日、
このラジオ番組を聴いてくだった方が、
感想をSNSに書いてくださいました。
ご本人から許可をいただきましたので、
一部ご紹介します。

====(ここから)

「間」をテーマに話しているやり取りがすでに
「説明しようのない、すごく難しいスキル」の
連続になっている。

落語界の大御所と、
スピーチコンサルタントで心理学研究者だから
当たり前といえば当たり前だ。

(中略)

志の輔さんの、著書タイトルへの話題振り。
スピーチと新作落語の関係性。
 
「空間だと思うんですよね」
「空間ですね」の受け答え。
   
ぞくぞくっとしながら、
何度も繰り返し聴いた。
 
====(ここまで)

番組をお聴きいただき、そして
感想をいただきありがとうございます。

私も師匠とお話しさせていただきながら、
その語りの間合いが、
高座のときとも、
『ためしてガッテン』等のテレビ番組とも違う
独特のものだと感じていました。

そして
とても心地よくお話しさせていただきました。
これこそ
空間をつかんでいらっしゃるからでしょう。

こうした名人の空間をつかむスキルを、
私たちが日常の中で使える
再現性のあるスキルとして体系立て
お伝えすること。

それが私の使命と考え、
今後も研究に邁進していきます。

★あなたの話し方に「間」と「空間」をつかむ
スキルをとりいれましょう
『「人を動かす話し方
 教材専門オンラインSHOP』
https://bit.ly/2M401CR

2019年7月24日